昨日は日本が休みだったが、中国の経済指標が市場にリスク回避を促した。対米の貿易黒字が17%も増加していることが貿易協議の先行きに懸念を与えたのに加え、国内の自動車販売が28年ぶりに減少に転じたのである。これでグローベックスでの米国株などは大きく値を下げてきて、為替相場にも影響を及ぼした。
ドル円は朝がたに108円台のミドルで推移していたものが、108円割れをトライ。ドル円よりもユーロ円など、クロス円の値崩れのほうが鮮明だった。ただ欧州時間に入ると、リスク回避による円買いの流れは一服。私もドル円などでショート攻めを試みたりもしたが、なかなか下がらなかった。
しかしニューヨーク時間ではトランプ大統領が「中国との交渉は合意に至るだろう」と楽観的な見方を出したこともあり、それまでのリスクオフの流れは逆転した。米国株はそれまでの下げ分をほぼカバーし尽くして、ドル円も決定的なほどの108円割れを回避できて値を戻してきた。
そして今日になって日本人が中心になって株買いが先行している。リスクテークとなっているのである。外部環境はまったく好転していない。米中協議の行方は不透明なままであるし、米政府はシャットダウンしたまま。そして今晩には英議会でBREXIT案の投票も控えている。ドル円の伸びがイマイチ勢いがないのも、そのためなのだろう。
今晩はアメリカの経済指標の中でも重要な部類のものが出る。昨日の中国側からの貿易収支と同様で、アメリカからの貿易収支も注目だ。しかしこれが悪かったといっても、トランプ大統領のスタンスは変わらないだろう。
北朝鮮に対する姿勢と同じで「中国はよくやっている」という、努力している様子を褒めて時間稼ぎするだけだろう。またPPIや景況指数も出るし、JPモルガンやウェルズファーゴといった企業決算も出てくる。いずれも株価を左右する材料となるものばかりなので、一喜一憂するだけかもしれないが要ウオッチである。
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