昨日は中国が流動性供給を再開したので、アジア時間でマーケットはリスクテークの流れとなった。ナイトセッションに入っても日経先物は目立った押し目は作らず、夜中に22320円まで高値を拡げた。言うまでもなく今年の最高値である。同時にナスダック指数が8000ポイントまで回復するなど、半年ぶりの高値圏にまで戻ってきた。
そうしたリスクオンの状況のなかで円相場は全面安になっている。だから方向性はまったく間違っていないのだが、それにしても為替相場の値動きは鈍い。昨日もほとんど動いていない。ドル円は20ポイント、ユーロドルは30ポイントである。
こんな日が続いているので、ちょっと動きそうな局面を迎えても、すでに10ポイント動いたところを後付けでついていく気にはなれないのである。もうちょっと新規な材料が出てこないとデイトレードと割り切ってはみても、なかなかポジションを持とうとする意欲に欠ける。
日米のTAG協議のほうも、あまりマーケットをかき乱す要因になっていない。あれだけ強気で臨んでいたはずのアメリカ側の姿勢も、存外にマイルドだからである。今となっては日本だけが味方だと言うことで、日本サイドに強気に出ることができないからなのだろうか。
ところで一部の報道にもあったように、日銀の株券保有量が過去最大となって、日本株の最大の株主になったようである。ここまで来れば全部買ってしまえばいいのだ。国だけが企業の株を保有し、経営の権利を握る。
これは150年前に高らかにうたわれた共産国家のありようそのものである。ソ連や中国でできなかったことを、代わりに日本でやっているのだ。日本はもっともうまく成功している社会主義国家だと、ますます言われかねない。
今晩の注目イベントとしては、モルガンスタンレーの決算とアメリカの貿易収支がある。リスクテークの途中でもあるので本来ならば市場の関心は高いはずなのに、為替相場はどうせ動かないだろうというコンセンサスもできてしまっている。
為替レートの値幅で30ポイント以上、例えば50ポイントとか振れてこないと、とてもではないが積極的にポジションを作ろうとする動きは出てこないだろう。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)