昨日は米国株が持ち上がって、終値ベースでは歴史的な最高値を更新した。しかし重要なのはオール・タイム・ハイである。これは為替相場でも同じことで、場中につけた最高値のブレークこそが、重い意味合いを持つ。
ナスダック指数は確かに最高値を更新してきたが、ダウ平均やS&P指数の最高値まではもうちょっと間がある。といっても1日で簡単に届く距離だ。とても近い。果たしてこれが近くて遠い道のりなのか、それともあっさりと通過してしまうのか。これは時間が経ってみないとわからない。
ただ明確にわかることは歴史的な最高値に近づいているという事実を元にして、歴史的にも高い水準で売ろうという意欲が強いことだ。これは値動きで客観的にわかっているデータを基本にしているので、テクニカルアプローチの部類に属する。パターンとしては5月は株価が下がる傾向にあるので、4月中の残り3営業日でどこまで上がりきれるかが問題となる。
そうしたリスクフルの状態が続く中で、ドル円は相変わらずのレベルで張り付き。確かに水準自体は今年の最高値圏にステイしているのだから、リスクオンだといってもよいのだろう。
しかし動かない。一段高しないし、上がっても上値は相当に重そうに見える。昨日も112円台にタッチする局面はあったとは言え、まったく値は伸びなかった。
一方でユーロドルのほうは、最近の小動きのなかでも下げ傾向を強めた。大台を瞬間的に割りこんで1.11台に突っ込んだものの、1.12台のローで下げ渋っている。
さて今晩も企業決算が多い。墜落で問題になったボーイングや、中国輸出の伸び悩みが気になるところのキャタピラ。情報流出で打撃を受け続けているフェイスブックなどである。あまり予想が当たらないテスラも注目だ。ともかくも企業決算は期待が薄い分だけ、予想通りとなっただけでもリスクテークの流れが強まる可能性が高い。
米国株が史上最高値を更新してきても、ドル円やユーロ円では上値追いをしていきたいという意欲には駆られないだろう。それよりもはやく10連休に入って、市場が少なからず薄くなるのを待ち望んだ方が得策のような気がする。
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