昨日はニューヨーク時間に入って、中国筋から「米中協議は行き詰まっている」との意見が出てきた。いくつかのアジェンダがあるなかで、知財権の保護というのは簡単に合意できるようでいて、まったくの困難をともなうものである。
日本や欧米では当たり前と考えられていることだが、中国ではすでに経済の中に組み込まれているのである。偽ミッキーやガンダム人形の無断使用である。お金を払わねばならないという発想がないのか、悪いことだとは思っていないようだ。
使用料を払うとなると、売上や利益の形態が大きく変わることを強いられる。総論賛成で各論反対にならざるをえず、合意できたにしても努力目標みたいなものにとどまるのが予想されるところだ。
北朝鮮との交渉の時もそうであった。「合意が近い」とか「合意できる」と国民向けにメッセージは発するのだが、やはり事は重大であり、リップサービスの域を出ないのである。それを受けて昨日の米国株は急激に下がった。利下げ期待に加えて、米中合意の期待も剥がれたことになる。
今晩は雇用統計である。先日の民間調査でも就業者数が大きく伸びていたことから、今回の雇用統計も良いものが予想されている。しかし労働市場がさらにタイトになると再び利上げ論が頭を持ち上げてくることになる。株価の足腰が弱りかけているところなので、リスク回避には弱そうだ。米国株の動向に注意である。
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