昨日に発表された住宅着工件数は、市場の予想を下回った。これによって米国株は下がり、ドル金利は低下した。やっと悪い経済データが出たことで、「予防的利下げ」の正当性を裏付けることができたというわけだ。
しかし株価は依然として高水準を維持しており、1日もあれば再び史上最高値を更新するかもしれないところに位置したままなのだ。まだまだ利下げを積極的に繰り返すというには、根拠が薄いのである。
また昨日はネットフリックスやIBM、BOAの決算があったが、いずれもアナリスト予想を上回る利益を発表した。前から疑われていることだが、この企業決算というのは民間の調査会社が勝手に予測しているものであり、世の中に注目されるために会社側に都合の良い予想を出しているのではないかということだ。
収益や利益などは会社側からの発表したものに頼るしかなく、しかるに予想といっても教科書的なものにならざるをえない。限られたデータを使っての処理なのだから、誰がやってもほぼ同じ予想になるはずである。それがみな一律に実際の利益よりもちょっとだけ低いEPSを予想として出している。
こうすることによって市場は「予想を上回った」ということで株価が上昇するからだ。だからそういう工作をしてくれる予想会社しか生き残っていないという現実がある。20年も前にはまともに予想していた会社もあったが、企業側から歓迎されず、順々に姿を消していったのは自然の成り行きかもしれない。
今日になってドル安傾向が鮮明になってきた。利下げ期待の分は市場で完全に織り込んでしまい、その後はややリスク相場の展開に傾いているからだ。グローベックスセッションでは米国株が前日の安値を下回ってきたので、それでドル金利が低下してきたのだ。ドルも売られ、ドル円やユーロドルはやはり前日のドル安値のレベルを下回ってきた。
私もにわかにドル売りで参戦。しかしドルの下値は限定的なものと思っている。だからそれほどの深追いをするつもりはない。どちらかというと、どこかでドルを拾っておきたいと考えている。これは月末のFOMCに向けてのドル金利の一段の低下はありえないと見ているからだ。
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