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田向宏行
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

GPIF為替ヘッジの材料にも反応薄、
ポンド安のゆくえは要ウォッチ!

2019年07月30日(火)12:37公開 (2019年07月30日(火)12:37更新)
持田有紀子

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 週末の日経新聞でGPIFの運用について出ていた。外貨投資分の為替ヘッジをするというものであった。財務省が保有している外貨はこれまでの為替介入の結果だが、これは持ちっぱなしにしても政治的に意味はある。また売り急ぐ必要性もない。

 しかしGPIFが保有している外貨資産というのは、あくまでも年金支払いに充てるためである。これだけ年金支給が心配されている折でもあり、支払い原資はただでさえ足りないところだ。だからGPIFが運用している150兆円というのは余っているお金ではない。

 団塊の世代を中心に年金受給がピークを迎える時期のためにストックしてあるだけなのだ。逆に言うと、国内株券だって最終的には売られる運命にある。GPIFは資産保有が目的ではないからだ。もしもお金が余っているならば、負担を減らせと言われてしまうだろう。

 そういうわけで「ついに来たか」という感じで、為替ヘッジの情報に飛びついてみた。朝いちからドル円を売り込んでみた。私の感じとしては早朝から大きく下げて始まるのかな、と思っていたのだが、市場は何の反応もなくスタートした。

 だから大した材料だとも受け取られていないのがわかる。確かに午前中まででドル円は108.50レベルを割り込んできた局面もあったが、それまでであった。私も欧州序盤には買い戻してポジションを閉じた。

 また昨日は英ポンドが急落した。これまで先延ばしにしてきたEU離脱問題がようやく現実味を帯びだしてきたからだ。週末の英報道では強硬離脱への地ならしでいっぱい。それで週明けはポンド相場の崩れにつながった。

 これまでは何とかなると楽観視していたのが、いよいよ何かしないといけないという現実を直視させられた感じである。ジョンソ英首相は「合意なき離脱」でも構わないとしているが、強行離脱に至るとすれば協議に応じようとしないEU側に問題があると、さっそく責任回避の余地を作っている。

 起こりうることが予想されているのに、何もしないで責任を転嫁するのは世界的な潮流なのかもしれない。今日は日本で日銀会合があるのに、誰も金融政策に期待されていない。過去に利上げするべきステージでは何もしてこなかったので、今さら打つ手がないと見られているのが市場のコンセンサスである。そして株価が下落しようものならば、米中の貿易戦争の影響のせいだとするのである。

 韓国もここ数年は経済のスローダウンに見舞われていたのに、今後、失業率がさらに悪化してきたりすると、経済制裁をやった日本のせいにするだろう。そして本尊のアメリカですら、FRBに対して「小幅な利下げではダメだ」といって、他人のせいにしている。

 ともかくも明日の夜中のFOMCまでは積極的には動けない状態が続くだろう。さんざん待たされた「7月利下げ」である。はっきりと「予防的」と言い切って、次はないと表明するのか。それとも追加利下げも匂わせるのか。今晩も様子見である。

 面白いのはポンドの行方である。ポンド自体がマーケットのメインストリームになることはないだろうが、市場のリスク許容度を左右するかもしれないので、要ウオッチである。

日本時間 12時30分


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