昨日はアジア時間でドル円が下げた。通常ならば朝から出動する日本人の買いも少なく、中値決めまでズルズルと下げてきた。そして中国市場が開いて人民元が対ドルで7の大台を超えてくると、それが市場の不安心理を増幅した。
大台が変わったことで11年ぶりだとか大袈裟に騒がれたが、値幅としては大したものではない。それでも市場をリスク回避に向かわせるには十分であった。ドル年は105円台に突入してきて、なおもオファー気味。
中国が米農産品を輸入停止するだろうという報道が出てきて、市場のリスク許容度はますます減退した。日本株は一段安し、ドル円はあがる根拠に乏しくなった。せいぜいで恒例の当局からのコメントだが、やはり同じことしか言わない。「過度な動きは良くない」だとか「注視する」といったもの。
欧州序盤にはドル円はにわかに106円台に戻したが、欧州株の下げ幅の拡大などを見ていると、リスク回避は続いている。だからドル円は買えないのである。すぐに下がるとは確信はなかったが、私としてもドル円をショートにしてニューヨーク勢の出方を待つしかない。
ニューヨーク序盤ではトランプ大統領が「中国が為替操作をしている」と非難。それをうけてドル円は下がったが、105円台にちょっと突っ込む程度だった。あんまり下がらなかったので、私もこのステージで買い戻すことにした。
中国の商務省が正式に米農産品の輸入を一時的に停止することを発表した。そして今朝になって米財務省も公式に中国を為替操作国に認定した。これで朝からグローベックスでは米国株がさらに大幅安と被った。
ドル金利も低下をたどり、短期金利はFOMC前の過度の利下げ期待のレベルをも下回ってきた。それを反映して為替相場でもドル安が進んだが、思ったほどのドル安にはなっていない。ドル円では50ポイントも下がっていない。ユーロドルは1.12台に乗せてはきたものの、値幅はそれほどでもない。
マーケットでこれだけリスク回避の度合いが大きくなると次に市場参加者が期待するのは、要人発言だ。トランプ大統領は選挙を控えて株高でないと困るので、リスクに対してフェイバーなことを言うはずである。
また金融当局者の間からは追加緩和の話しが出てくるはずだというものだ。それで相場の流れが変わる局面もあるかもしれないので、そこは要注意である。しかし中期的なトレンドは変わらない。リスクオフのままである。
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