週末に中国サイドからの意見が出て、米中協議は構造改革を伴わないものの範囲内で合意にもっていくとの報道が流れた。これは貿易交渉の目指す路線から大きな後退となる。それを嫌気して週明けのマーケットではリスク回避で始まった。
グローベックスでの米国株は大幅安でスタートし、後は世の中の消化具合を試しにいくという感じになった。本格的な反応は夕方以降の海外勢の出方を見ないとわからない。ひょっとすると一歩前進ではないかと好意的にとらえられるかもしれない。
ドル円も先週末のレベルから30ポイントほど下がって1日をスタートしたことでは同じ。早朝に106.65あたりまで突っ込んでいたのだが、これを下抜けするのかどうかが第一の注目点となった。しかしアジア時間ではそれ以上のリスクオフは起こらなかった。ドル円も106円台の後半で小動き
ニューヨーク序盤まではリスク回避の姿勢も見えたが、ニューヨークのランチタイム以降は羅漢的な見方も台頭してきた。FOXニュースで米中間の困難な問題に関してはタイムスケジュールを提示すると報じられたからだ。確かに何もしないよりも前向きではある。それで米国株は一転して上昇。
前日比でプラス圏まで浮上してきた。すでに107円台を回復していたドル円だったが、このステージで軽く一段高となって107.45まで上昇。しかし記事の内容はあくまでも観測的なものだということで、ニューヨーク終盤ではリスクテークの調整も出てきた。米国株は利食い売りに押されたが、ドル円はなんとか107円台を維持した。
米中の次官級協議が始まっているが、閣僚級会合の前段階なので気を抜くことはできない。次官級レベルで話し合ったことしか、本会合で議題にのぼらないからである。そういうわけで10日からの閣僚級会合を待たずに、今日も要人発言には要注意である。
昨日は他に時間を取られることもあって、うまく相場に入ることはできなかった。私としては、気になるのは昨日のニューヨーク後半のリスク調整である。そのまま一気に株高とはならなかったことである。
それでドル円もトップサイドではもみそうな感じがしている。しかるにドル円、ユーロ円などリスク性に敏感なものは、現在の水準からは戻り売りの態勢で臨もうかと考えている。
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