先週の金曜日はアジア時間でややリスクオフとなった。日本株も高いところから始まっただけで、ただひたすら売りものに押された。それは前日のニューヨーククローズ間際に米政府においては「段階的な関税の撤廃」に合意していないと出てきたからだ。
確かに中国側からの発表に市場が飛びついた感が強まっていた。本当に部分的な合意のみの状態で、たとえ段階的であっても追加関税分をなくしていけるのか。追加関税分を撤廃してしまったら、米側には何も残らなかったと言うことになるのではないかとの懸念が残っていたからだ。
ドル円も朝がたに109.40あたりまで上値攻めをして前日の高値を超えようとしていたが、テクニカル的にもキャップされることとなった。私もドル円を売っておこうと考えていたのだが、値動きに勢いがないのでやめてしまった。夜になってから海外情勢がもっとハッキリしてきてからでも、下げを取りに行く分には間に合うだろうとした読みだった。
欧州時間では再びリスクテークモードになりつつあった。ドル円は再び戻し高値を狙う。落ちそうで落ちないドル円には、さすがに売ろうとする気概もなくなってきた。しかし日付の変わる頃にトランプ大統領が「関税撤廃の合意はない」とハッキリと言い切った。
これで米国株は押し下げられることとなった。ドル円も下げることにはなったが、109円台を割り込むことのほどもなかった。ニューヨーククローズに向けては米国株が買い戻されている。
今週はイギリス、ドイツ、日本のGDP速報値が出る。なかでも注目なのはドイツである。ドイツは前回の3半期はマイナス成長だった。今回もマイナスだとリセッション入りダということになる。ユーロのマイナス金利にはさらなる下げ圧力がかかることになり、ユーロ安に弾みがかかる。
米中関係が改善の方向で進んでいるように見えるとした楽観視が金利の先安感を妨げているが、ECBの総裁の交代の時期とも重なっているので注意しておく必要はある。
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