昨日はアメリカが連休明けであったが、市場に材料が少なく、為替相場は小動きな展開が続いた。ドル円は110円ちょうどをはさんだ状態に変わりはなかった。ユーロドルも1.1100をはさんでの小動き。どちらにも方向感を見いだせない状況が継続している。
ダボス会議が始まったが、トランプ大統領も参加しているが、あまり変化に富んだことは出てきていない。昨日は欧州への追加関税を匂わせる発言があったが、今となってはどうせ交渉を始めるための口実でしかないのだろうと思われている。つまり市場のほうもカドに反応しなくなった。
中国発の新型コロナ・ウイルスが日本や韓国で発見されたのについで、アメリカのワシントン州でも見つかった。これだけ人の出入りが多いのだから、水際で防ぐということ自体が不可能に近い。ある程度の感染は仕方がないものとして、問題はそれが爆発的なものになるかどうかである。また死亡に至る具合はどうなのかということもだ。
マーケットで振り返れば、2003年のSARS騒動や2008年のバード・フルが思い出される。感冒の流行は人の外出を控えさせて、それが消費を直撃するというのが従来の教科書的な考えである。
そして2003年と2008年は規模の差こそあれ、市場はリスク回避の方向で反応した。今回はどうなるのか。アメリカでも感染者が見つかったというのに、株価の調整は実に小さい。米国株はやや下がったとは言え、依然として史上最高値圏に張り付いているのである。
株価が高いうちは、なかなかドル円やユーロ円も落ちていかない。材料が出た瞬間に相場が反応することがあっても、リスクの材料視されないようではドル円単独では下げきることができないのだ。したがって否応なく、株価を横目に見ながらのトレーディングを強いられることになる。
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