昨日はドル円が跳ねた。跳ねたと言っても150ポイントなのだが、ここしばらく最近は1日で20ポイントほどしか動かない日々が続いたので、余計に大きく動いたように感じられるだけである。値幅の150ポイントというのは、とんでもなくあがったというわけではない。
ともかくも外部環境に大きな変化はなく、材料も限られていたので、ドル円の動きはあくまでもテクニカルに沿った動きと言える側面が大きい。今年のドル円の最高値は110.30あたりだったので、110円台の前半がとても激しくレジスタンスを形成してきた。
そこを何度も上値攻めしたのだが、そのたびに押し返されるのを繰り返していた。そのためもあって上値抜けにはパワーがたまっていたといえよう。
年初から地政学的リスクやBREXIT問題、そしてウイルス感染などマイナス材料が多かっただけに、ポジションもリスク回避に備えてのものが多かった。それでも米国株に見られるようにリスク回避は限定的となっており、むしろ史上最高値を更新してくるほど。
これでは備えておいたほうがむしろリスクが高まるというものだ。ドル円の年初来高値の更新はそうした意味での短期的に積もったポジションのアンワインドだったという面もある。
昨日はニューヨーク時間にドル円は111.58まで上がって、その後はやや重い。利食い売りが優勢となっており、値段をキープできないでいる。日本株は朝から一段高しているのに、それに連れたリスクテークのドル円の買いはそれほども追随してきていないようだ。
今晩も経済指標はいろいろ出るが、古いデータということであまり市場にインパクトを与えないだろう。むしろ明日に出てくる欧米のPMI指数のほうが重要だ。市場参加者がどのくらいウイルスのことを深刻に考えているかを図るためにもである。
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