相場は上に下にと動くものだが、一方的に同じ方向に動き続けるということはない。必ずどこかに引っかかりどころというものがある。それを客観的な視点から探し出そうとする作業をテクニカル分析という。そして見いだされた相場の引っかかりどころをテクニカルポイントという。
米国株はコロナ感染後の復調が顕著だが、それでもここに来て足踏みしている。それはやはりテクニカル的に引っかかっていると見られる。今、目前にしているのは米国株の史上最高値だ。S&P先物の価格で言うと、3397ポイントである。
ここまで勢いよく上がってきた米国株だが、3380ポイント台まで上がってくると急に上げが止まる。あと10ポイントほどであるのに、大きな抵抗を受けているのがわかる。史上最高値というのは簡単には越えられない、重要なテクニカルポイントなのである。
そうした理由で昨日のニューヨーク市場でも膠着感が強まって、米国株は1日を通じても動意の薄い小さい動きにとどまった。容易に上がらないことを確認しても株価が下がらない分だけ、まだ米国株の上昇トレンドは続いているといえるのだろう。
ドル円は動きはのろいものの、着実に値を下げた。105円台に突入しても、そこから反発するショートカバーの様子も見られなかった。淡々と下がったという印象である。ユーロ円も先週までの126円台後半といった高値圏を脱した感じである。
今日も閑散とした夏枯れ相場が続きそうだが、米国株のトップサイドをウオッチしていないといけないだろう。上抜けすれば違った展開が出てくるだろうし、すぐに押し戻されるようならば、そこからでもリスクオフの流れについて行かないといけない。
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