昨日はマーケットで大きくリスクテークが進んだ。日本株も連休明けで大幅高で始まった後も、その上げ基調は変わらず、さらに上げ幅を拡大した。これはリスクテークの流れが継続している明確な証拠であった。
ドル円こそ104円台の中盤でモタモタしていたが、クロス円はおしなべて堅調。とくに上がりたがっているように見えるユーロドルが上げに転じると、ユーロ円も上昇が加速した。
欧州時間ではドル円の利食い売りが出てきて若干のディップを作ったが、ニューヨーク時間になると円の全面安の傾向は強まって、素直にリスクオンのムードに乗ることとなった。ユーロ円も124円台まで回復してきている。
市場が楽観的になったのはワクチン開発の進展の他に、トランプ大統領が政権移行に関して協力的な態度に出てきたようだという報道が根っこにあった。リスクテークの象徴は株高に現われている。これは足下で現実に起こっている悪材料とはかけ離れた動きである。
コロナ感染が拡大しており、欧州では多くの都市がロックダウン。アメリカでも過去最大の感染者数を出し続けている。また日本も例外ではなく、北海道や大阪に加えて東京もどうするのかを検討中という有様だ。経済をとめようかと相談している最中なのである。
テクニカル的にも過度に買われすぎだという見方もある中、市場のリスク許容度の減退が生じない理由はいろいろある。それも概ね12月の初旬のイベントに集中しているようだ。言うまでもなく、これまで相場を牽引してきたワクチン開発である。
アメリカでは実際の使用が12月11日から始まるというのだ。本当に効くのかどうか、無害なのかどうかはこれから試されるところではあるが、これで集団免疫を取得できる一環になるものと期待されている。
また需給的には12月10日を中心に、日本のボーナス支給日が集中する。それに向けての投信の新規設定が活発化しているが、それのフロントランニング的な仕込みへの安心感がとても強い。いくら仕込んでも12月には裁けるだろうというもの。これは毎年の動きでもあるが、今年の場合は特に強い。
そしてECBの追加緩和である。すでに先月にラガルド総裁が資金供給プログラムの拡大を示唆しているので、量的緩和の増大が約束されているようなもの。ECBの金利会合が12月10日にあるので、その場でより深い緩和策も出てくるのではないかとの期待も根拠なく出てきているのである。
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