昨日もマーケットでは大きくリスクテークとなった。米上院の議席が民主党で固まったことと、議会がバイデン氏の次期大統領に正式な承認を与えたからである。これも考えてみればとくに積極的なリスクテークの材料というには乏しいものである。
実際にバイデン氏が大統領になったところで、今までに見たこともない政策が出てくるわけではないからである。大規模な財政支出が期待できると言うが、トランプ氏が当選していてもそれは同じ事だったろう。バラマキだったらトランプ氏のほうが巨額だったかもしれない。
そういう状態で米国株はアジア時間のうちにグローベックスセッションで史上最高値を超えてきてプレイする。これはここ1ヶ月の間のパターンになりつつある。ニューヨーククローズ後に新高値を更新するというのは、まことにいぶかしい感じもする。その直前まで世界でいちばん流動性の高いニューヨーク株式市場をやっている。
そしてそこでは買い上がりもしないで越えられないのに、時間外取引の間に上抜けしてくる。本番では上値追いはできないが、場外乱闘ならば空中戦でもよいという感じだ。ニューヨーク時間のコアタイムのうちに残っている安いオファーを買えばいいのに、とさえ思ってしまう。
そして昨日はドルの買い戻しの日となった。ドル円は103円台まで巻き返し、ユーロドルも久しぶりに100ポイント近くの下落を演じた。これは前日に続いてドルの長期金利の上昇が確認されたからである。
今晩はアメリカの雇用統計である。株価が史上最高値を更新してきた今こそ、雇用関連のデータがたいへん注目を浴びるところなのだが、今回の雇用統計ではマーケットを大きく揺さぶることはないように思われる。就業者数は10万人弱の増加が見込まれているが、これすらも変動幅は大きい昨今である。まともに予想の数字と比べてまともにトレードできるものではない。
それに加えてここ1、2ヶ月でのコロナ感染の世界的な拡大だ。主要都市ではロックダウンに近い状態になっており、それが目先の不透明感を増幅している。仮に就業者数が大きく増加したにしても、これは最近の傾向を織り込んでいないだけだといって無視されるだろう。反対に就業者数が減少に転じたところで、それもありなんという解釈に落ち着くだけだ。
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