昨日のマーケットではリスク動向の変化が乏しかった。バイデン氏の大統領就任が無事にすんで、それに対するご祝儀相場が終わったことによる材料出尽くし感である。米国株の値幅は一日を通しても、とても小さいものでおさまった。
若干、気になるところはECBのラガルド総裁の発言である。これまで金融緩和の拡大を強調してきただけに、PEPP資金に関しては「他の融通手段があるならば、資金枠を全部使い切る必要はない」というコメントはタカ派に聞こえた。
金融引き締めというわけではないが、アメリカもテイパリングがウワサされている最中でもあったので、全面的な緩和状態からの脱出を想起させた。それによって為替相場ではユーロがやや強ぶくんでいる。
ユーロドルは1.21台の後半まで上がってきているが、今月に入ってからのロングのシコリが被さってきていて、簡単に上値を追いかける状況にはない。確かめる必要のあるラガルド総裁の発言の真意が判明するまで時間がかかりそうだ。
今晩はドイツ、イギリス、アメリカといった主要国の景況感指数が出る。半年前から景況感は改善の傾向を示しているので、今回の数字で格別のことが起こるわけではない。ただワクチン接種の開始がどのくらい市場のセンチメントにプラスに影響を与えているのかを見ないといけないところだ。
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