バイデン政権が発足して、新しい閣僚もほぼ確定してきた。そして事前から公表してきた政策を実行に移す段階に入ってきた。景気対策も1.9兆ドルの規模のものをぶち上げたが、さっそくその実現への道程が危ぶまれてきている。
バイデン大統領は民主党だけでの単独の法案成立よりも、多くの共和党からの賛同者を得る方向での成立を求めているからだ。これは国内の分断を嫌った副作用でもある。
先週の金曜日のマーケットでは、それが若干、意識されたようだ。先週を通じて出てきた企業決算がおしなべて良かったのにもかかわらず、米国株の頭は重たい展開が続いた。インテルが自社製品の比率を上げると発表したのも嫌気されて、設計だけに専念しろという声も聞かれた。企業も自社の利益だけでなく、その追求の仕方に視点が向けられているようである。
そうした気迷いの資本市場を横目に、為替相場もはっきりしない動きが続いている。値幅も小さい。ドル円は103円台の後半で、ユーロドルは1.21台の後半で小動きだ。クロス円がやや上昇したようにも見えるが、けっして方向感が明確に出てきているわけではない。
つまりボックス圏にステイしているのである。現状の水準が続く限りは、逆張りしてレンジ取引に励むほうが有効のようだ。ドル円は102円台で買い、104円台で売る。ユーロドルは1.20台から1.23台までと想定する。そうしてしばらくは次の材料を待っているしかなさそうだ。
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