昨日は米国債の10年ものの入札が行われた。応札倍率は悪くて不調の結果に終わったのだが、債券相場は崩れず。長期金利はむしろ低下した。入札を気にはしているようであっても、それが長期金利に影響を与えることはないことを証明したようなものだ。
長期金利の安定に加えて、米下院でも追加予算の再可決ができたことで、マーケットはリスクオンの状況になった。米国株は史上最高値を更新。為替相場は値幅の小さい動きに徹したが、総じてドルがやや軟化。
最近は日本株も米国株も大きな値幅での荒い値動きが続いている。日経先物でいえば500円上がった後に簡単に800円も落ちてしまう。相場の高値圏で値段が軽くなるときというのは、これまでのパターンから類推すると大型調整の兆しということになる。これ以上の上値攻めは不可能だということだ。
バブル崩壊元年の1990年の日本株も値動きの激しい状況だった。3万円台の日経先物は3000円落ちて2000円戻すなど、ザラにあった。最初のうちは相場の流れが転換したとは気づかないものである。判明するのは1年以上経った19991年の夏場になってからである。
ここ1ヶ月間の株価は世界中でチョッピーである。実際に相場が上がってきているのだから、買い遅れた人や買い戻しを急ぐ人びとのビッドはまだ残っている。しかし新規にロングで攻めても上がらないのであれば、投げ売りのサイクルも早くなろうというもの。
大きく株価の調整売りが進んだように見えるが、まだまだ米国株などは年初来ではプラス圏である。日本株に至っては2月初旬のレベルが27700円くらいだったことを考えると、ぜんぜん株価は上がっているのである。まだ日経先物が1000円落ち込んでも、まだ高いのである。
為替相場ではドル円が年初には誰もが予期していない109円台に乗せてきたことも、またぜんぜん緩まないユーロ円が129円台でステイしていて依然として上値をうかがっていることも、そろそろ要警戒の時期に差し掛かっているのかもしれない。
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