昨日から米企業決算が本格化した。まずは金融大手から。JPモルガンやGSなど、アメリカを代表する金融機関だ。すでにコロナ脱却を見込んで大きく株価は上昇してしまっているために、好決算であったにも関わらず、相場の反応は鈍いものがあった。期待で買って、結果で売るといった投資行動そのものである。
しかし情けないと思われるのはアナリスト予想の外し具合である。なぜ企業の業績をあれだけ外すのだろう。市場にとってはサプライズということで好感されているが、予想を旨とするアナリストの予想があんなに外れるとは、いったい彼らは何を見て仕事をしているのか。EPSが2倍もそれているということは、子供が予想するよりもひどい作業だということになる。
そういうわけで米国株は高く始まったのだが、次第に値を崩していった。為替相場もそれに従う展開となった。ニューヨーク序盤にはドル円は109円台を見たものの、徐々に売りものに押されはじめた。しかしニューヨーク時間を通じて、為替相場は全般的に小動きな状態が続いた。ドル円もユーロドルも20ポイントほどしか動かなかった。
今晩は企業決算に加えて、マクロ指標もたくさん出る。中でも重要なのは小売売上高だろう。すでにプラス5%台の高めの数字が出ることが期待されている。昨今はインフレ懸念が強まっているため、このデータを契機に再び長期金利が上昇する展開も起こりうる。そうなると昨日上げ渋ったドル相場が、上昇に弾みが突くことになるかもしれない。
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