昨日も米国株は大幅安となった。しかしドルの長期金利が思ったほども上がらなかったことで、次第に市場に落ち着きが取り戻され、米国株の下支えとなった。ナスダック指数などはほぼ当日の下げ分を取り返すことに成功している。
しかしナスダック指数は続落して割安感が出てきたというが、そもそも下がってきたところでのPERがやっと30倍割れである。それは確かに35倍とかに比べれば安いのは安い。しかし株価のPERというのは歴史的にも15倍を中心に上下しているものだということを認めれば、依然として超がつくほどの割高なのである。
昨日の為替相場で目立った動きと言えば、クロス円の重さであろう。でも確かにトップ周辺から外れてきたとはいいながらも、ユーロ円は132円台を大きく割り込んでは来ていない。ポンド円もいつの間にか153円台とかまで上がってきている。重い展開だといっても、上値追いをしないだけでレベル的には高値張り付きという状態には変わりはない。
昨日のマーケットでもそうだったが、再びインフレの高進が話題の中心になってきている。銅やアルミといった工業原材料や、トウモロコシや大豆といった農産品が一向に高値攻めを止めないからだ。これは先日に発表された雇用統計における平均時給の伸び率の急伸とともにインフレ懸念の材料となっている。
そのインフレの高進具合を見るための指標として、今晩はアメリカのCPIが出てくる。PPIよりも3ヶ月ほどの遅効性があるため、即座に反応するのはいかがなものかとも思われるが、インフレに敏感になっているときだけに過剰にマーケットは反応してしまうかもしれない。反応するとしたらドル相場が上がる方向である。
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