昨日はドル金利の低下が目立った。とくにアメリカの住宅価格が大きく上がってきているデータが出てきた割には、インフレ懸念がそんなに増幅されなかったので、ドル金利を直撃することはなかった。
ひとつには中国政府が頑固に取り組んでいる商品価格の上昇を阻む措置であろう。そのため食料品や原材料の価格上昇が一服しているからである。といっても一段高しないだけで、高値張り付きのままである。ビットコインほど相場が崩れてはいないし、調整局面にも入っていない。
またFEDのメンバーが何人も「インフレは一時的なもの」と繰り返しになったのも効いている。立場上でそう言わざるを得ないのだろうと思いながらも、高値圏で方向感を失いそうになっている米国株にとっては、やはり好材料に映ったのだろう。ニューヨーク時間では軟調に推移していた米国株も、そのためにやや下げ止まった感がある。
そうしたドル金利の低下は長期金利のゾーンで明確で、10年ものの利回りは1.55%台まで下がってきた。これが為替相場ではドル安のバイアスを強めた。とくにユーロドルは欧州時間に発表されたドイツの景況感が予想を上回ったこともあって、ユーロ買いに弾みがついた。
私もユーロドルを買って攻めてみたのだが、あまりうまくいかなかった。結果的にはユーロ円のほうが勢いをもって上がってきた。133.60辺りまで上がってきて、これは今年の最高値レベルである。ここではテクニカル的に売りものに出会うと同時に、抜けるとさらなる一段高が期待できる。
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