先週末は日本株が大きく上下した。木曜日の日経先物の東京クローズは28150円で、これでも安値引けに近い格好だった。そしてナイトセッションで27000円台に突入し、27480円まで安値を拡げた。そして金曜日になって再び安値攻め。27380円の新安値を見に行った。
しかし14時からの公的資金の買いをあてにした株買いもあり、日本株は急速に値を戻し、日経先物は東京クローズ時点で28000円台を回復。前日の東京クローズよりも高い、28210円ですなわち陽線引けすることとなった。
このリスク許容度の回復には中国の金融政策も少なからず寄与している。欧州序盤で預金準備率を引き下げたのだ。これは前々から言われていたことなのでサブライズではない。しかしマーケットでは何か買い材料を欲していたのだろう。もしくは短期的にもショートポジションがたまってしまっていたのだろう。日経先物はナイトセッションで28560円まで急反発し、そのまま高値圏で週を終えている。
おおむね海外のリスク相場も同様の動きを示した。東京時間のほとんどはリスク回避で動居ていたのだが、欧州序盤にかけてはそのリスク許容度が急回復。ユーロ円は130円台に戻してきていたのだが、もう押し目はなかった。ドル円も110円台に乗せてきてステーブルな展開となった。私もドル円をロングで参戦してみたりしたのだが、ドル金利の上昇は限られていたため、上げ幅は小さいものだった。
週末にはG20がイタリアで開かれ、予定通りに法人税率の最低水準とデジタル課税の方針について合意を見た。それに加えてバイデン政権が大企業の市場寡占を妨げるための法案に署名をした。これらはいずれも企業の国際競争力を薄める効果を保つものばかりだ。これが週明けのマーケットにどのように作用するのかは、今週の注目点にならざるをえないだろう。米国株が史上最高値に張り付いている分だけ、余計に関心が集まる。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)