だいぶ薄らいできたインフレ懸念だったが、昨日のアメリカのCPIはインフレ懸念を再び思い起こさせるのに十分な内容だった。CPIはコア部分もプラス0.9%となって、これは13年ぶりの高い水準だという。
13年ぶりというと、北京オリンピックの頃であり、ちょうどリーマンショックのあった頃だ。確かにあの夏場はコモディティ価格がとても高かった。原油価格などはその時の高値である147ドル台が、いまでに史上最高値となっている。ユーロ円の160円なども同じ頃であった。
それだけ高い物価指数を見せられても、ドル金利の上げ幅はとても小さいものだったといえる。確かにドル金利は短期も長期も上がるには上がったのだが、長期金利に至ってはようやく1.40%台に乗せてきた程度だ。2.0%まではまだまだ遠い。ドル金利の上昇でもっと株安になるかと思いきや、それほども米国株は下げなかった。
ドル金利の上昇を素直に受け取ったのはユーロドルであろう。私もCPIの発表以降はユーロドルショートで何回か臨んだ。ずっとショートポジションをキープすればいいだけなのだが、私としては1.17台のユーロドルが長続きするイメージが持てず、どうしても保有期間が短くなってしまう。そして回転する頻度が速くなる。ニューヨーク時間が終わってみれば、ドル相場は全面高で、そのままドルの高値引けとなっている。
高値引けするということは、相場はもっと上がりたいということだ。市場参加者が買い切れていないから高値を維持したまま終わったという解釈だからだ。そうなるとユーロドルも1.15台くらいまではじっと戻り売りで持たないといけないのかもしれない。
ただ今晩はPPIが出てくる。その結果がまた予想よりも大きくなればスタンスに変更はなくてもいいのだが、存外に低く出てしまうとドルロングのコレクションが強く出てくるかもしれない。
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