コロナ感染の拡大と中国の規制強化で、世界的にややリスク調整の度合いを強めている。しかし株価のボラティリティは上がってこない。ということは、それほどもヘッジしておかなくてもよいといった安心感のほうが先立っているということだ。下値警戒感はあるものの、恐怖を感じたり、パニックになるようなことに及ばないと見ているのだ。
昨日もアジア時間ではリスクオフ。これは中国当局による規制の動きが強まるのではないかとの見方から香港株などが安いからである。しかし海外時間では市場のリスク許容度が回復。米国株も値を戻してきて、再び史上最高値に接近している。
FOMCでは予想通りに現状の緩和政策を維持しないことを決定。そしてテイパリングの議論を始めるには数回の会合を経ないといけないと明言した。これで金利面からのコストアップはないと見た株買いが入ったのである。
しかしリスクテークの流れは継続しなかった。やはりよく考えてみると、どう工夫して見せかけをよくしたところで、早晩のテイパリングは避けられないところまで来ている。9月末の雇用保険の上積みがなくなるのを待っているだけでは無策というものだ。それでニューヨーク終盤では米国株は目先が重たくなった。
一方でドル相場は全面安のままで終わった。といってもFOMCをスルーしたと思えないほど、値幅は狭い。それだけ市場の関心を引いていなかった現れでもあろう。
さて今晩はアメリカのGDPが出る。プラスの8%台の中盤が見込まれている。これは個人消費を中心に経済活動が回復してきているのだから、ほぼ織り込み済みである。ここまでGDPのプラスが続いて、やっとコロナ感染前のGDP水準に戻ったことになる。
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