(「ユーロ/ドルでドル高が進んでいるが、松田さんの見解に変わりはないのか?(1)」からつづく)
「ユーロ/ドルは1.6という歴史的な高値をつけましたよね。仮にすべてのマーケットがドル中心で動いているのなら、ユーロ/ドルが1.6になった時、ドル/円は歴史的な最安値である80円をつけていておかしくない。
けれど、そうなっていないのは円キャリートレードに原因があったと考えています」
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート)
■原油価格の下落をキッカケとした円キャリートレードの巻き戻し
超低金利の円を売って、相対的に高金利な通貨を買う円キャリートレード。ドルの政策金利が5.25%から2%まで下がってしまった結果、ドル/円ではこうしたトレードが行われなくなったと松田さんは言う。
けれど、相対的に高金利のユーロ/円、豪ドル/円などで円キャリートレードは行われていた。そして、ドル/円で行われていた円キャリートレードの分もそちらにシフトしていたと松田さんは話す。だから、ユーロ/円は170円近くまで上がっていたのだ。
そして、ユーロ/円や豪ドル/円が上がり、円安が進んでいた分、ドル/円は円高が極端なことにならず、史上最安値の80円になるようなことはなかったということである。
ところが、ユーロ/円、豪ドル/円などがここに来て大きく下げ始め、今はそういった円キャリートレードの巻き戻しが起きているという。
■原油価格の下落をキッカケとした円キャリートレードの巻き戻し
超低金利の円を売って、相対的に高金利な通貨を買う円キャリートレード。ドルの政策金利が5.25%から2%まで下がってしまった結果、ドル/円ではこうしたトレードが行われなくなったと松田さんは言う。
けれど、相対的に高金利のユーロ/円、豪ドル/円などで円キャリートレードは行われていた。そして、ドル/円で行われていた円キャリートレードの分もそちらにシフトしていたと松田さんは話す。だから、ユーロ/円は170円近くまで上がっていたのだ。
そして、ユーロ/円や豪ドル/円が上がり、円安が進んでいた分、ドル/円は円高が極端なことにならず、史上最安値の80円になるようなことはなかったということである。
ところが、ユーロ/円、豪ドル/円などがここに来て大きく下げ始め、今はそういった円キャリートレードの巻き戻しが起きているという。
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その理由は何なのか?
「一番大きいのは原油価格の下落でしょう。原油価格はこれからさらに下げが来ると思いますよ。瞬間100ドル割れ、90~95ドルぐらいまでは下がるんじゃないかな。
価格のことはともかく、原油価格が下落すると、円キャリートレードの巻き戻しが起こるというのはたとえば、こういうことです。
ヘッジファンドなどが、原油に資金を投じる際、今までは買いで動いていたはずですよね。それが上昇している時はいいけれど、下がってくると、レバレッジをかけてやっていますから、追証(追加証拠金)を入れないといけない。
そこで、利益の出ている円キャリートレードのポジションを解消し、それを原油の追証にあてるといったことが起こります。
こういったことが連鎖的に起きてくるわけです。それがこれからもっと本格化すると思います」
本格化…というのはいつ頃、来るのだろうか?
その理由は何なのか?
「一番大きいのは原油価格の下落でしょう。原油価格はこれからさらに下げが来ると思いますよ。瞬間100ドル割れ、90~95ドルぐらいまでは下がるんじゃないかな。
価格のことはともかく、原油価格が下落すると、円キャリートレードの巻き戻しが起こるというのはたとえば、こういうことです。
ヘッジファンドなどが、原油に資金を投じる際、今までは買いで動いていたはずですよね。それが上昇している時はいいけれど、下がってくると、レバレッジをかけてやっていますから、追証(追加証拠金)を入れないといけない。
そこで、利益の出ている円キャリートレードのポジションを解消し、それを原油の追証にあてるといったことが起こります。
こういったことが連鎖的に起きてくるわけです。それがこれからもっと本格化すると思います」
本格化…というのはいつ頃、来るのだろうか?
「秋ぐらいでしょう。今週はまだマーケットが夏休み。来週あたりから市場参加者が徐々に戻ってきて、9月ぐらいからさらに一段と増えますからね。
ただ、可能性としては、来週あたりに何か突飛な動きが起きたっておかしくないと思っています」
■ユーロ/ドルは1.37~1.39まで下落の可能性も!
「たとえば、ユーロ/ドルが1.4を割れて1.37~1.39ぐらいになるとか…。
ユーロ/ドルは1ヵ月で1400ポイント落ちたんだから、今月残り2週間であと1000ポイント落ちてもおかしくない。
もし、そうなった時は原油価格は100ドルを割れてるでしょうし、今、160円ぐらいにあるユーロ/円は150円台前半ぐらいまで落ちるでしょう」
あくまで「一つの可能性として」ということではあるが、かなり強烈な松田さんの予想である。
ここで話をドル/円に戻そう。
■ユーロ/ドルでのドル高よりも、クロス円での円高の影響が強くなる
ユーロ/ドルではドル高、クロス円では円高が進み、両者の綱引きとなるドル/円は結局あまり動いていないという松田さんの話だったが、これが今後はどうなるとみているのだろうか?
「ユーロ/ドルでのドル高の影響よりも、クロス円での円高の影響がいずれ強くなってきて、その結果、ドル/円は下がっていくと考えています。
そもそもここに来て、ドルが強くなっているように見えますが、米国株式市場の動き、米国の事実上のリセッション、米国のスタグフレーション状態など、米国のファンダメンタルズを考えていった時に、ドルを買っていく理由がないんです。
ただ、ドル/円がここからストレートにすぐ下がっていくのか、それとももうしばらく保ち合いが続いたあとに下がるのか、場合によってはこれから112円程度まで少し上昇した後に下がるのか、そこはわかりませんが…」
松田さんの話をドル・円・ユーロの通貨ペアでまとめてみよう。
ユーロ/ドル → 下がる(ドル高)
ユーロ/円 → 下がる(円高)
ドル/円 → 下がる(円高)
ということになる。とにかく、なんでもかんでも下がりそう(?)という話なのだ。
ただ、可能性としては、来週あたりに何か突飛な動きが起きたっておかしくないと思っています」
■ユーロ/ドルは1.37~1.39まで下落の可能性も!
「たとえば、ユーロ/ドルが1.4を割れて1.37~1.39ぐらいになるとか…。
ユーロ/ドルは1ヵ月で1400ポイント落ちたんだから、今月残り2週間であと1000ポイント落ちてもおかしくない。
もし、そうなった時は原油価格は100ドルを割れてるでしょうし、今、160円ぐらいにあるユーロ/円は150円台前半ぐらいまで落ちるでしょう」
あくまで「一つの可能性として」ということではあるが、かなり強烈な松田さんの予想である。
ここで話をドル/円に戻そう。
■ユーロ/ドルでのドル高よりも、クロス円での円高の影響が強くなる
ユーロ/ドルではドル高、クロス円では円高が進み、両者の綱引きとなるドル/円は結局あまり動いていないという松田さんの話だったが、これが今後はどうなるとみているのだろうか?
「ユーロ/ドルでのドル高の影響よりも、クロス円での円高の影響がいずれ強くなってきて、その結果、ドル/円は下がっていくと考えています。
そもそもここに来て、ドルが強くなっているように見えますが、米国株式市場の動き、米国の事実上のリセッション、米国のスタグフレーション状態など、米国のファンダメンタルズを考えていった時に、ドルを買っていく理由がないんです。
ただ、ドル/円がここからストレートにすぐ下がっていくのか、それとももうしばらく保ち合いが続いたあとに下がるのか、場合によってはこれから112円程度まで少し上昇した後に下がるのか、そこはわかりませんが…」
松田さんの話をドル・円・ユーロの通貨ペアでまとめてみよう。
ユーロ/ドル → 下がる(ドル高)
ユーロ/円 → 下がる(円高)
ドル/円 → 下がる(円高)
ということになる。とにかく、なんでもかんでも下がりそう(?)という話なのだ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート)
そして、ドル/円はいずれ3月の安値95円を割れ、大幅な円高ドル安になっていくという松田さんの基本的な見解に変化はないのだった。
(ザイFX!編集部・井口稔)
そして、ドル/円はいずれ3月の安値95円を割れ、大幅な円高ドル安になっていくという松田さんの基本的な見解に変化はないのだった。
(ザイFX!編集部・井口稔)
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