昨日は日本のGDPが発表された。結果はプラス1.3%で、事前の予想を上回った。それにも関わらずマーケットの反応は冷ややかな形となった。日本株が大きく値を下げてきたのだ。解釈はいろいろつくだろう。
新型株のコロナ蔓延が完全に織り込まれていないから、将来の数値は悪化するはずだ、などなど。週末にタリバンが首都を制圧して、アフガニスタンの大統領も国外に脱出したという報道も、地政学的リスクの悪化を匂わせ、リスクオフの原因の一つとなっている。
リスク回避の状況は継続していて、着実にクロス円は安い。ユーロ円は130円台に戻ることはなく、129円台の前半まで押し込まれた。きれいな形で動いたのはドルストレートよりもユーロ円などクロス円のほうであった。
不安材料を上げればキリがない。コロナ感染の拡大も一服していないし、雇用がどうなっているかなど。高すぎる株価も、高いということ自体が不安材料を提供しているようなものだ。
ドル金利は低下した。地政学的リスクの高まりだけではなく、エンパイア指数が悪かったことも要因である。先週のミシガン大学も含めて、米国の景況感はちょっとピークアウトした感が強まっている。
楽観的になりすぎたことによる反動と、新種のコロナ株による不透明感がなせるものだろう。この景況感の悪化は、今後のアメリカの金融政策にも影響を与えそうだ。つまりテンパリングの開始が遅まるのではないかということ。そうなるとドル相場の一段安も考えられる。
今晩は小売売上高が出る。コロナ禍からの回復感を測るうえでは、景況指数とともに消費動向は大事な指標だ。あまり芳しくない結果が出ると、ドル金利は一段の低下が促され、ドルも下落を余儀なくされる。
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