為替マーケットは、トレンド・レスの状況が続いている。各主要通貨ペアともにレンジを形成しており、行って来い(※)の値動きが鮮明になってきている。
(※編集部注:「行って来い」とは相場がいったん上昇もしくは下落したものの、結局もとの水準に戻ってしまう値動きのこと)
■投資家の需給に対する懸念が払拭された米国債入札
現執筆時点では、円を除いた対主要通貨において、ドル安が進行する可能性がにわかに高まっている。その原因は、6月25日(木)に行われた米国債入札が好調であったことだ。
市場関係者の予測とは裏腹に、米国の7年国債の入札は、1040億ドルという過去最大規模の発行額にもかかわらず、応札倍率が2.82倍となって、かなりよい結果であった。
6月第4週(22~26日)に行われた3回の入札は、いずれも平均を上回る需要となっていて、米国債の需給に対する海外投資家からの懸念は後退した。
■米国債入札は好調なのに、なぜドル安に振れたのか?
米国債市場の安定化は本来、ドルに対する信頼、ひいてはドル高の支援材料となるはずだ。ところが、6月25日のNY市場は、むしろドル安の方向に反応した。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルvs世界の通貨 1時間足)
それというのは、6月24日(水)に開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)の声明文において、中立のスタンスは維持されたものの、米FRB(連邦準備制度理事会)の早期利上げを支持するような、一歩踏み込んだ内容(ニュアンス)が見られなかったためだ。
それどころか、FRBが一連の緊急資金供給制度と各国中央銀行との通貨スワップ協定を2010年2月1日まで延長したことによって、早期利上げの可能性がさらに遠のいたと多くの市場関係者が受け止めたのだ。
そのため、6月25日のマーケットでは米国株高と債券高が同時進行し、どちらのサイドにとっても「よい解釈」に働いた。
早期利上げ観測の後退で、株高は自然な反応と言えるが、債券市場においても、FRBが長期国債買い入れ方針を表明した3月18日以降で最大の利回り低下となった。
それというのは、6月24日(水)に開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)の声明文において、中立のスタンスは維持されたものの、米FRB(連邦準備制度理事会)の早期利上げを支持するような、一歩踏み込んだ内容(ニュアンス)が見られなかったためだ。
それどころか、FRBが一連の緊急資金供給制度と各国中央銀行との通貨スワップ協定を2010年2月1日まで延長したことによって、早期利上げの可能性がさらに遠のいたと多くの市場関係者が受け止めたのだ。
そのため、6月25日のマーケットでは米国株高と債券高が同時進行し、どちらのサイドにとっても「よい解釈」に働いた。
早期利上げ観測の後退で、株高は自然な反応と言えるが、債券市場においても、FRBが長期国債買い入れ方針を表明した3月18日以降で最大の利回り低下となった。
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