先週はトヨタ自動車が生産台数を削減するということで、市場を賑わせた。第一に半導体が不足しているからだと言う。生産能力があっても、原材料や部品が足りないということでは、何もできないのは仕方がない。能力がある分だけ、それは生産性の低下を意味する。将来は人口減もあるし生産性を上げていかないと活路は開けないというのに、である。
それと日本国内のコロナ感染の拡大が止まらないことも相まって、アジア時間ではリスクオフの流れが強まった。日本株の代表的な指数である日経平均株価は年初来安値まで間近となるレベルまで下げてきた。これは史上最高値の更新を繰り返している米国株とは実に対照的である。
110円台まで戻していたドル円も急速に頭が重たくなってきて、欧州時間でも一段安。109円台のミドルまで突っ込んで、そのまま戻らずじまいとなった。ユーロ円も一時的に128円台を割り込んだりしてきた。
私はユーロドルの下げを狙っていたので、前日の安値の1.1694アラウンドを注視していた。結構、早い時間帯で下値ブレークをしてきたので、私も追随売りを敢行した。しかしユーロドルの下げは遅く、かつ小幅なものにとどまった。私も利食いで買い戻すことはできたとはいうものの、15ポイントだけ。結果だけから見るとドル円やユーロ円に参戦した方が、遙かに面白かったことであろう。
来週はジャクソンホールでパウエル議長の講演がある。何か出るのではないかとの期待が強まっているが、FRBの姿勢として「雇用のデータ改善を見極めたい」というスタンスに変更はないだろう。まだ9月までの失業給付の上積み分がなくなることへの雇用への影響が表に現われてこないうちに、早々にテイパリングの時期を示唆することはないだろうということだ。
ちょっと市場は早期のテイパリング開始に前屈みになっているようなので、何も言及がなかった場合は反動が起きることが想像される。ドル金利は低下、そして多少なりともドル安が起こる可能性がある。
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