(「持田有紀子さんに聞く相場見通し(1)為替レートって、実はいくらでも構わない!?」からつづく)
■円高と日本の株安、どっちが先?
今の為替相場で、いちばんカギを握っているのは株だと思います。なぜ株かと言えば、リスクテイクするのか、しないのかという象徴の意味での株だと思うんです。
だから、株の値動きによって、為替の値動きもだいぶ変わってくると思います。
たとえば、米ドル/円が70円台をつける時は、株式市場がものすごく下がっている、あるいは、下がる方向にある時でしょう。
株と為替、どちらが先かというのはわかりません。
日本の株式市場に関わる人は、株安を為替のせいにする人が多いけれど、米国の場合、為替の値動きで株が上がったり、下がったりすることはありません。
日経平均 日足と米ドル/円 日足

(日経平均のチャートの出所:株マップ.com)
(為替のリアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米国の株、他の国の株の動きが、まわりまわって日本に来ている話なので、その結果として、ドル安や円安につながっているだけなのです。私はそのように考えています。
——最初に米国株が動いて、それを見て日本株が動いて、さらに米ドル/円が動く…
ただ、日本に来た時には、いっしょになっています。
大本の部分である、経済の良い、悪い、また、リスクをマーケットの中で取っていく、取っていかないという、マーケットの根本にあるのは、基本は海外の動きなんですね。
とにかく、今のマーケットの状況が、リスクテイクの方向に向かっているのか、リスク回避に向かっているのかが重要なポイントで、それさえ見ていれば、そんなに難しいことにはならない。
——リスク回避だと円高になるということですね。
その時は、当然ながら株も下がります。
■日本の株式市場の二番底は避けられない!?
——米ドル/円が80円割れの場合、日経平均はどこまで下がっているのでしょうか?
どうなるんでしょうねぇ。難しいところですね。
向こう3カ月を見た場合に、出口戦略をどうするのかについて、各国がどうとらえているのかが重要です。
また、日本に限って見ると、民主党政権の行方が重要で、海外の投資家も当然それを見ていて、民主党政権のありようがどうなのかが、最大のポイントになるでしょう。
ただ、良いのか、悪いのかは別として、お金のパイ全体で考えても、本来はプラスでもマイナスでもないけれども、民主党政権が、自民党政権と大きく違うのは、企業を通して世の中におカネをバラまくのではなく、個人に直接バラまくということです。スタンス、アイデンティティの違いですね。
そうすると、経済指標で見た場合に、数字だけで結果を見ると、現在の状況はマイナス方向でしか表れず、決してプラス方向にはならないでしょう。
——鉱工業生産やGDPに表れるのは、だいぶ後になるということですね。
来年ぐらいから、民主党政権が行う政策の効果がだんだん出てくるでしょう。
国家戦略室とか、期待は高いけれども、今は前政権からの移行期で、当面は動けない。本格的に動き出すのは年が明けてから。現在の状況が経済統計に出てくるため、プラス方向には出にくい。
だから、株式市場の二番底というのは、あり得ると思います。
ただ、その深さがどのぐらいなのか、いつ二番底に向かうかは、それは政策当局の意思で回避できる部分もあるだろうし、いろいろな要素があるため、具体的にはわかりません。
(為替のリアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米国の株、他の国の株の動きが、まわりまわって日本に来ている話なので、その結果として、ドル安や円安につながっているだけなのです。私はそのように考えています。
——最初に米国株が動いて、それを見て日本株が動いて、さらに米ドル/円が動く…
ただ、日本に来た時には、いっしょになっています。
大本の部分である、経済の良い、悪い、また、リスクをマーケットの中で取っていく、取っていかないという、マーケットの根本にあるのは、基本は海外の動きなんですね。
とにかく、今のマーケットの状況が、リスクテイクの方向に向かっているのか、リスク回避に向かっているのかが重要なポイントで、それさえ見ていれば、そんなに難しいことにはならない。
——リスク回避だと円高になるということですね。
その時は、当然ながら株も下がります。
■日本の株式市場の二番底は避けられない!?
——米ドル/円が80円割れの場合、日経平均はどこまで下がっているのでしょうか?
どうなるんでしょうねぇ。難しいところですね。
向こう3カ月を見た場合に、出口戦略をどうするのかについて、各国がどうとらえているのかが重要です。
また、日本に限って見ると、民主党政権の行方が重要で、海外の投資家も当然それを見ていて、民主党政権のありようがどうなのかが、最大のポイントになるでしょう。
ただ、良いのか、悪いのかは別として、お金のパイ全体で考えても、本来はプラスでもマイナスでもないけれども、民主党政権が、自民党政権と大きく違うのは、企業を通して世の中におカネをバラまくのではなく、個人に直接バラまくということです。スタンス、アイデンティティの違いですね。
そうすると、経済指標で見た場合に、数字だけで結果を見ると、現在の状況はマイナス方向でしか表れず、決してプラス方向にはならないでしょう。
——鉱工業生産やGDPに表れるのは、だいぶ後になるということですね。
来年ぐらいから、民主党政権が行う政策の効果がだんだん出てくるでしょう。
国家戦略室とか、期待は高いけれども、今は前政権からの移行期で、当面は動けない。本格的に動き出すのは年が明けてから。現在の状況が経済統計に出てくるため、プラス方向には出にくい。
だから、株式市場の二番底というのは、あり得ると思います。
ただ、その深さがどのぐらいなのか、いつ二番底に向かうかは、それは政策当局の意思で回避できる部分もあるだろうし、いろいろな要素があるため、具体的にはわかりません。

しかし、二番底があると構えていて、ちょうど良いぐらいだと思います。
■原油も金も、この先の値動きはドル次第
——続いて、原油価格ですが、ニューヨーク原油は70ドル近辺で小動きとなっています。
当面は高止まりすると思います。
ただ、ここまで観察して思っているのは、原油の反発は株高にもつながったものの、75ドルを超えてくると今度は株にマイナスの影響があって、そういう意味では上にはいきづらいように見えます。
リスクテイクという動きの中で買われるけれども、それを超えるとマイナスの影響があるため、今の世界経済では、75ドルを超えていくほどの体力はない。今の経済状態では75ドルぐらいまでがせいぜいという裏返しでしょう。
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