昨日は再びドル金利の上昇が顕著になった。欧州時間から10年ものの利回りは1.50%を越えてきて、さらに加速の様相。為替相場では最近はドル金利の動きに敏感に反応してきているので、素直にドルの全面高となった。ドル円は111.60辺りまで吹き上がって、ポンドドルも下げがきつかった。私はユーロドルのショートで参戦していたのだが、いちばん効率が悪かったようだ。このステージではほんの10ポイントほどの変動しかなかったのだ。
ニューヨーク時間になると米国株が下げ足を速めだしたので、リスク回避の動きも出てきた。ドル円やユーロ円は値を戻す。米上院で債務上限引き上げの法案採決が阻止されたことで、政府機関のシャットダウンの可能性が高まったのだ。どうせいつものように短期の暫定予算なんかを組んで、場当たり的な解決策は見いだすのだろうとわかってはいても、マーケットはリスク調整を余儀なくされた。それだけリスクテークしすぎていたということの表れでもある。
一度押し込まれたドル円であったが、米ドル金利のさらなる上昇もあって、再び111.60をトライする事となった。そしてそのままほぼ高値引け。ドル相場は強いままである。今日は日本株の配当取りの権利落ちもあって、日本株が安い。
それに加えて中国の停電事情がどうやら一時的なものではないのではないかとの観測が強まってきて、アジア株全般が軟調となっている。これによるリスク回避の動きもあろうが、ドル円は111円台のミドルアッパーを維持している。
今年の高値を控えて短期筋のドル円の買い戻しも巻き込んで、需給面からはとても腰が強い。またドル金利の上昇傾向も、ドル買いに支援を与えている。当面はドルロングで攻めたいと考えているが、ここからドル円を買って行きにくいのであれば、ユーロドルを突っ込み売りしてみるのもよいだろう。
まもなく緊急事態宣言が解除されることになった。もちろんまだ制限付きではある。それでも感染者数が減少してきて、その上、重傷者数も減ってきている。事態は改善に向かって動いているのは明らかだ。しかし問題なのは、なんでここまで改善したかである。その議論があまりにもなおざりにされているように見える。9月に入ってからでも、誰も減少傾向をたどるだろうと予想した評論家や専門家はいなかった。
しかしこうなってくると政府や調査期間が出す報告が、今後も使えるのかどうかが問題となってくる。起こった結果を明確に説明してくれないことには、何を信じて行動すればよいかわからないからである。果たして、マスクをすることで感染拡大は防げたのか、人流の抑制は必要だったのか、ワクチンの2回接種は本当に有効だったのか、などなど。再度の吟味、検討が必要であろう。
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