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西原宏一_メルマガ取材記事
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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?


ドルはどこまで下がるのか? (10)

2008年05月13日(火)15:18公開 (2008年05月13日(火)15:18更新)
ザイFX!編集部

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 (前回「ドルはどこまで下がるのか? (9)」からのつづき)

 さて、それではいよいよ、ユーロ/ドルを中心とした為替相場そのものへ話を移したい。

 『ダイヤモンド・ザイ・オンライン』の連載コラム(「米国の住宅ローン問題は最悪期を脱した」)で広瀬さんが示したユーロ/ドルのシナリオは以下のようなものだった。

 (1)欧州は米国よりも中央銀行の動きが緩慢。米国はすでに大きく利下げしたのに、欧州はまだ利下げしていない。これから欧州は景況感が悪化し、利下げに転じる。

 (2)ユーロ安ドル高の動きが(1)によって起こると、原油高が一転して原油安方向に動き出し、それがさらにユーロ安ドル高の動きを加速させる。


 では、(1)について、欧州と米国の状況をそれぞれもっと詳しく広瀬さんに聞いていこう。まず、欧州について、広瀬さんは最近パリに滞在していた友人のエピソードから話を始めた。
■花の都・パリで買い物する気が起きないほどユーロは高い

 「私の旧知の友人にYさんという女性がいます。彼女は家族がパリにアパートを借りている関係で機会あるごとにパリに滞在するのですが、先日、米国へ帰国した彼女と電話で話したときに仰天してしまいました」
 「なにせ花の都・パリにいながら、全然ブティックなどで買い物をせず、『もっぱら食材をいろいろ買い込んで自炊したり、屋外にイーゼルを持ち出して油絵を描いてゆったりした時間を過ごしたわ』と言うのですから。

 一流の投資銀行に勤め、お金には不自由しておらず、ファッション・センスも抜群で、普段から着るもの、持ち歩くものにこだわるタイプの彼女が『ユーロ高でパリの物価の高さを痛感したわ』と、一切の高額商品のショッピングをボイコットした事実に私は思わず唸ってしまったのです。

 もし、パリのブティックですら最上の見込み客であるYさんのような旅行者から完全に袖にされているのなら、欧州の輸出企業は最近のユーロ高で当然、相当苦しんでいるに違いありません。

 事実、このところ発表されている欧州企業の決算はユーロ高でボロボロです。アル・カテル・ルーセント、サノフィ・アヴェンティス、SAP、ノキアなど、悪い決算を出した企業は枚挙にいとまがありません。

 欧州では消費者のマインドはそれほど悪化していませんが、欧州企業の景況感は非常に悪化しているのです。

 これはインフレ・プレッシャーがやわらぎ次第、ECB(欧州中央銀行)は利下げに入っていかなければいけない状況にあることを物語っています」

「ドルはどこまで下がるのか? (11)」へつづく)

(ザイFX!編集部・井口稔)
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