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田向宏行
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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?


ドルはどこまで下がるのか? (11)

2008年05月15日(木)15:30公開 (2008年05月15日(木)15:30更新)
ザイFX!編集部

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 (前回「ドルはどこまで下がるのか? (10)」からのつづき)

 広瀬さんは「欧州は景況感が悪化し、これから利下げに転じる」と見ている。

 では、米国はどうなのか?
■米国の利下げは4月末のFOMCで打ち止めになったとみる

 「サブプライム問題に端を発する金融不安を沈静化させるべく、FRB(連邦準備制度理事会)はこれまで極めてアグレッシブにFFレートを引き下げてきました。

 しかし、ここへきて金融市場は正常化しつつあるという認識が市場参加者の間に広まりつつあります。このため、『もうFRBはあまりあわてて利下げする必要はないだろう』という考え方が支配的になっています。

 事実、4月30日のFOMC(連邦公開市場委員会)ではFFレートの引き下げ幅は0.25%のみでした。

 さらにその後のFRBのスタンスは、『これまでのたび重なる利下げが経済に与える累積的な影響を見極めるため様子を見たい』というニュアンスになっています。『ダウンサイド・リスクに気を配り、臨機応変に動きたい』というこれまでの表現がFRBのリリースから消えている点に注目したいと思います」

広瀬さんは米国の政策金利引き下げが先のFOMCで打ち止めになったと見ているのだ。これが今後の為替相場にどう影響するのだろうか?
 「国際間の投機資金の動きを考える際、金利差そのものも大事ですが、金利のベクトル(=方向性、すなわち利下げ基調か、利上げ基調か)も大事なポイントです。

 もし、先のFOMCを最後として、もうFRBは今後利下げしないのだとすれば、もう一段とこの水準からドルを売り叩くのは難しい気がします。

 なぜなら『利下げしなくてよい』という判断は『そのうち景気が底入れするだろう』という観測を暗にほのめかしており、米国が景気減速の後、景気上向きになってくるというのなら、グロース(経済成長)のある国の通貨を売り崩すのは難しいからです」

 「ドルはどこまで下がるのか?」と題して続けてきたこのコーナーではあるが、広瀬さんはドルはこれから上がるという見解なのである。

■今、まさに為替相場は大きな節目を迎えている!

 最後に、広瀬さんがユーロ安ドル高のターゲットとなるレートやそのトレンドが続く期間について、どう考えているのか、聞いてみた。また、ユーロ/ドルだけでなく、ドル/円についてはどう考えているのだろうか?

 「ドルはユーロに対しても、円に対しても反発すると思います。どれぐらい反発するのか、ターゲットのようなものは持っていません。けれど、ドル高局面はこれから1~2年ぐらい続いてもおかしくないと思っています。そういう意味では、今まさに為替相場は大きな節目を迎えていると感じているのです」

(次回は野村雅道さんにご登場いただく予定です)

(ザイFX!編集部・井口稔)
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