先週の金曜日、アメリカの雇用統計への期待が膨らんでいた。それまでの水、木の2日間はニューヨーク市場ではリスクテークの動きがみられたくらいだったので、みな少し安心しきっていたような感じもした。
私も雇用統計の結果が良かった場合、上がったところをドル円かクロス円のショートにしてみようと思っていた。期待が高い分、出尽くし感もあってまた垂れてくるのではないかと考えていた。木曜日にハンガリーからゴタついた話しが聞こえてきていたことも少し気にはなっていた。
アジア市場のマーケットは静かだったのに、欧州市場に入ってくるとなんだかユーロドルが不穏な動きを見せはじめた。火曜日につけた安値1.2110を下回ってきたのだ。どうもまたハンガリー発の話しが出たらしい。ユーロ円も111円台ミドルまで下がってきていた。相場が動いてくるとつい手をだしたくなってしまう性分を押さえて、ともかく指標までは待つことにした。
21時半になったと同時に、あっという間にドル円は92円台後半から70、80ポイント下落してきた。確かにペイロールの結果は失望ものだった。上がったところを売るどころではなかった。速攻でドル円を売ったら91.98。米国株は反転の兆しを見せることはなかったが、ドル円は91円台ミドルで下げ渋っていた。ペイロールへの期待で買っていた分の投げもあると思い、急落直後の戻りの少し上の92.30にロスカットレベルを置いて、ポジションを持ち越すことにした。結果的に、米国株は下げっぱなしで終わったようだ。
ドル円は東京時間に91円割れも見るほどさらに下押したが、その後は91円台ローで動きが止まってしまった。何しろ今晩はなにもイベントがない。ショートカバーも怖いので私は一度ポジションをクローズしてまた出直すことにした。
ユーロドルは東京時間に1.18台に突入している。しかしいつも言っているように、ユーロドルの東京市場のレートは端っこになりやすいというジンクスがある。欧州株は安くスタートしているが、米国での反応待ち状態である。多少なりとも反発してくるようならば、拾ってみてもよいのかもしれない。ユーロ円も東京市場で下落したが、108円割れはとりあえず回避している。
しかしユーロ問題は南欧を中心としたPIGS諸国の財政危機で大きくなったが、今度はハンガリーまでゴタつきはじめた。もともと東欧についてはユーロ圏が不安視される材料だったはずなのに、PIGS問題で少し影が薄くなっていた。ハンガリー自体はまだユーロを採用していないし、内政的に騒いでいるだけという見方もある。
ただ東欧の不良債権の問題が表面化してくるようだと、欧州の金融機関をかなり苦しめることになるだろうし、ますますユーロ問題は深刻化してくるだろう。いずれにしてもユーロ圏の視界不良は相当なものなので、もちろんユーロドル、ユーロ円のロングを作ったとしても短期ポジションにならざるをえないだろう。
日本時間 18時30分
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