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ツール・ド・フランスで有力視される
サクソバンク(SAXO BANK)とは?(2)

2009年07月10日(金)11:28公開 (2009年07月10日(金)11:28更新)
ザイFX!編集部

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「ツール・ド・フランスで有力視されるサクソバンク(SAXO BANK)とは?(1)」からつづく)

 ここでサクソバンクの歴史をちょっとたどってみよう。

■まさにデンマークドリーム(?)を体現!

 サクソバンクの歴史はそれほど長くない。設立されたのは1992年のこと。今回インタビューに応じてくれたキム・フォーネイ氏、そして、ラース・セイアー・クリステンセン氏の2人によって、デンマークのコペンハーゲンに設立された。

 「1992年に、最初は10万ドルほどの資本金で会社を始めました。

 そして、1995年にはインターネットの力に注目し、金融商品の情報を提供するウェブサイトを構築しました。

 1998年には、はじめてFXのオンライントレードシステムをリリースしています。この時、取引できたのは確か、4通貨ペア程度だったと記憶しています。

 そして、2001年には銀行の認可を受け、複数の金融商品を取り扱えるようになりました。

 その後、世界のさまざまな国に進出したり、さまざまな国の金融機関と提携したりして、現在では180ヵ国以上の顧客にサービスを提供するようになっています」

 資本金10万ドルほどで始めた会社が20年も経たないうちに、グローバルにサービスを提供する金融機関となった——そう、サクソバンクは、アメリカンドリームならぬデンマークドリーム(?)を体現した会社だったのである。

■150通貨ペア以上が取引できるサクソ系のシステム

 サクソ系といえば、GFT系と並んで、通貨ペア数が非常に多く、さまざまなマイナー通貨が取引できることで知られている。今現在は150通貨ペア以上も取引できるのだ。それが最初は4通貨ペア程度から始まったという話もちょっとオドロキである。それも「顧客のニーズに耳を傾け、サービスを進化させ続けてきた結果」だとキム・フォーネイ氏は話す。

 ちなみにザイFX!の以下のページでは、各FX会社が取り扱っている通貨ペア数が比較できる(下のリンクでは通貨ペア総数が多い順に並べ直した)。

「FX会社おすすめ比較:取引できる通貨ペアを比べる」

 これを見ると、一番通貨ペア数が多いkakakuFX 「プレミアム」の通貨ペア数は本稿執筆時点で、155通貨ペアとなっている。このkakakuFXは実はサクソ系のシステムを使っているのだ。

 ちなみに、その下に126通貨ペアで並んでいるAFT-FXダイレクトトレードGFT東京支店サザインベストメントはいずれも米国GFT社のシステムを使用している。

■サクソバンクFXが日本でサービスイン

 では次に、デンマークのSAXO BANK A/Sの100%子会社としてこの7月から日本で営業を開始したサクソバンクFXのことへ話を移そう。

 SAXO BANK A/Sは世界のさまざまな金融機関と提携し、いわゆるサクソ系と呼ばれるシステムを提供している。日本での代表格はすでに触れたとおり、kakakuFXだ。kakakuFXは価格比較サイト「価格.com」で知られる株式会社カカクコム傘下のFX会社が提供しているFXサービスである。

 そんなサクソ系のシステムを導入していた日本のFX会社の一つにアストマックスFXがあったが、同社は先頃、FXの業務を停止していた。そのアストマックスFXをSAXO BANK A/Sが買収、これがこの7月からサクソバンクFXと名前を変え、日本でFXサービスをスタートさせたのだ。

 つまり、日本において、SAXO BANK A/Sは提携金融機関を介して個人向けのオンライントレードサービスを従来は提供していただけだったのだが、それがこのたびダイレクトに個人投資家へサービスを提供するようにもなったのである。
サクソバンクFXには23通貨ペアが取引できる「ミニ口座」と約150通貨ペアが取引できる「スタンダード口座」がある。前者がFX初心者やライトユーザー向け、後者はたくさんの通貨ペアを取引したい人向けという位置づけだ。

 売買手数料は原則無料で、米ドル/円のスプレッドは前者が「2銭~」、後者が「3銭~」となっている。

 ただし、「スタンダード口座」の場合、指定された取引単位以下だと片道10米ドルの“ミニマムチャージ”という特別な手数料がかかるので、この点は注意した方がいいだろう。「ミニ口座」の場合は、“ミニマムチャージ”がかからない。

 また、最低取引単位は通貨ペアによって異なるが、米ドル/円なら1000通貨から取引できる。FX業界の標準は1万通貨単位だから、それよりも小口の取引ができるということだ「ハイレバレッジの取引は危険ではない? 常識の再検証と1000通貨取引のススメ」参照)

 ただ、前述したとおり、「スタンダード口座」は“ミニマムチャージ”がかかるので、1000通貨単位で取引するなら、「ミニ口座」を利用した方がいいだろう。

 取引ツールはダウンロード型のシステムである「SaxoTrader」、通常のブラウザで取引できる「SaxoWebTrader」、そして、モバイル版である「SaxoMobileTrader」の3つだ。サクソ系の名前とともに、「SaxoTrader」というツール名も聞いたことのあるFXファンは多いのではないだろうか。

 キム・フォーネイ氏はこう語る。

 「サクソバンクFXの一番のセールスポイントは『SaxoTrader』をはじめとした取引ツールが優れている点です。サクソバンクは『ユーロマネー誌』などで数々の賞を受賞しており、取引ツールの安定性は世界的に高い評価を受けてきました。

 また、親会社がEUの規制下で認可された銀行ですから、お客さまに信頼して取引していただけると思っています」

■実は2005年から始まっていた日本のCFD取引

前回述べたように、デンマークのSAXO BANK A/Sでは、総合的にさまざまな金融商品を取引できるが、その一方、日本のサクソバンクFXでは当初、FXだけを取り扱うという「ツール・ド・フランスで有力視されるサクソバンク(SAXO BANK)とは?(1)」参照)

 まだ、FXのサービスを開始したばかりで気が早いが、サクソバンクFXは次の展開を何か構想しているのだろうか? たとえば、CFDなど…(CFDについては「広瀬隆雄の『ウワサのCFD徹底講座』」を参照)

 「まず、申し上げておきたいことは、日本でCFDを一番最初に提供したのは我々だということです」

 確かにそうだった! サクソバンクのシステムを使って、ひまわり証券がCFDのサービスを開始したのは2005年のこと。CFDは最近になって、よく話題に出るようになったが、日本でサービスがスタートしたのは意外と前なのだ。

 「前々回日本に来た時は、ひまわり証券さんがすでにCFDのサービスを開始していたのに、誰もCFDのことは話しませんでした。

 前回日本に来た時は少しCFDの話が出ました。

 今回は多くの人が口々にCFDのことを語っています。みなさんのCFDに対する興味・関心が確実に高まっていることが感じられます。日本には非常に知的な投資家が多いので、欧州や豪州と同じように、CFDは大きく成長するのではないでしょうか。

 サクソバンクでも、今後必要な認可を取って、CFDを提供していくことを考えています。ただ、CFDだけでなく、海外の先物や海外の債券といったものにも、そのうち人々の関心は移っていくのではないでしょうか。そういった金融商品も可能性を秘めていると考えています」

■マイヨ・ジョーヌの行方はいかに?

 では、最後に自転車チームに話を戻し、ツール・ド・フランスの抱負をキム・フォーネイ氏に聞いてみよう。

 「チーム・サクソバンクは優勝できると思っていますよ。非常にエキサイティングなレースになるとは思いますが、ベストなチームだと思っていますので。本当に勝つことを望んでいます」(※)

(※このインタビューはツール・ド・フランス開幕前の7月1日に行った)

 ツール・ド・フランスは昨日、7月9日までに第1~第6ステージを終えたが、第1ステージを圧勝したチーム・サクソバンクのファビアン・カンチェラーラが第6ステージまで個人総合トップを死守。「マイヨ・ジョーヌ」と呼ばれる黄色いリーダージャージを着続けている。

 ちなみに個人総合2位に迫っているのはアスタナ・チームのランス・アームストロング。前人未踏のツール・ド・フランス7連覇を成し遂げ、一旦引退していたものの、4年ぶりに現役にカムバックした選手だ。

 第6ステージを終えて、1位と2位の公式タイム差はなんと「0秒」(「死守」と表現した理由がおわかりいただけるだろうか?)。ツール・ド・フランスでは、まさしく、エキサイティングなレースが展開されているのである。

(ザイFX!編集部・井口稔)

サクソバンク証券

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