ここでサクソバンクの歴史をちょっとたどってみよう。
■まさにデンマークドリーム(?)を体現!
サクソバンクの歴史はそれほど長くない。設立されたのは1992年のこと。今回インタビューに応じてくれたキム・フォーネイ氏、そして、ラース・セイアー・クリステンセン氏の2人によって、デンマークのコペンハーゲンに設立された。
「1992年に、最初は10万ドルほどの資本金で会社を始めました。
そして、1995年にはインターネットの力に注目し、金融商品の情報を提供するウェブサイトを構築しました。
1998年には、はじめてFXのオンライントレードシステムをリリースしています。この時、取引できたのは確か、4通貨ペア程度だったと記憶しています。
そして、2001年には銀行の認可を受け、複数の金融商品を取り扱えるようになりました。
その後、世界のさまざまな国に進出したり、さまざまな国の金融機関と提携したりして、現在では180ヵ国以上の顧客にサービスを提供するようになっています」
資本金10万ドルほどで始めた会社が20年も経たないうちに、グローバルにサービスを提供する金融機関となった——そう、サクソバンクは、アメリカンドリームならぬデンマークドリーム(?)を体現した会社だったのである。

■150通貨ペア以上が取引できるサクソ系のシステム
サクソ系といえば、GFT系と並んで、通貨ペア数が非常に多く、さまざまなマイナー通貨が取引できることで知られている。今現在は150通貨ペア以上も取引できるのだ。それが最初は4通貨ペア程度から始まったという話もちょっとオドロキである。それも「顧客のニーズに耳を傾け、サービスを進化させ続けてきた結果」だとキム・フォーネイ氏は話す。
ちなみにザイFX!の以下のページでは、各FX会社が取り扱っている通貨ペア数が比較できる(下のリンクでは通貨ペア総数が多い順に並べ直した)。
→「FX会社徹底比較!:取引できる通貨ペアを比べる」
これを見ると、一番通貨ペア数が多いkakakuFX [プレミアム]の通貨ペア数は本稿執筆時点で、155通貨ペアとなっている。このkakakuFXは実はサクソ系のシステムを使っているのだ。
ちなみに、その下に126通貨ペアで並んでいるAFT-FXダイレクトトレード、GFT東京支店、サザインベストメントはいずれも米国GFT社のシステムを使用している。
■サクソバンクFXが日本でサービスイン
では次に、デンマークのSAXO BANK A/Sの100%子会社としてこの7月から日本で営業を開始したサクソバンクFXのことへ話を移そう。
SAXO BANK A/Sは世界のさまざまな金融機関と提携し、いわゆるサクソ系と呼ばれるシステムを提供している。日本での代表格はすでに触れたとおり、kakakuFXだ。kakakuFXは価格比較サイト「価格.com」で知られる株式会社カカクコム傘下のFX会社が提供しているFXサービスである。
そんなサクソ系のシステムを導入していた日本のFX会社の一つにアストマックスFXがあったが、同社は先頃、FXの業務を停止していた。そのアストマックスFXをSAXO BANK A/Sが買収、これがこの7月からサクソバンクFXと名前を変え、日本でFXサービスをスタートさせたのだ。
つまり、日本において、SAXO BANK A/Sは提携金融機関を介して個人向けのオンライントレードサービスを従来は提供していただけだったのだが、それがこのたびダイレクトに個人投資家へサービスを提供するようにもなったのである。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)