昨日はアジア時間の昼過ぎに、FTの記事が出てマーケットを動かした。モデルナ社が新種のウイルスに対してはワクチンの効果が少ないだろうというもの。これは先週末のパニック的なリスク回避から一服しかけていたマーケットに冷や水を浴びせかけることとなった。
14時から日経先物は下がり始めて、東京クローズ後も下げ続け、そして日中の高値からは1500円ほどの急落を演じたのだ。同時にドル円、ユーロ円もこの動きに驚いての下落。さすがにドル金利も低下を強いられていたのだ。
私も東京クローズから後はドル円をショート攻めした。ユーロドルを買ってもいいのだが、どうもユーロ円がもっと落ちそうな気がして成らない。どうせならばとドル円を売ることにしたのだ。
しかしドル円は112.70あたりまで差し込んだ後は、急激にショートカバー。ベースがタイトニングによる上昇が横たわっているので、なかなか深く沈んでいかない。112.89でいったんはやめたが、その後には113円台に戻す局面もあった。
ニューヨーク序盤ではコロナ的な悲観とともに株安・金利安で始まった。ドル金利が安いので、ドル円も112円台のミドルまで突っ込んでいる。出てきた経済指標もおしなべて予想を下回るものが多かったため、リスク回避の動きに変わりはなかった。私も再びドル円をショートで向かったのだが、今回は入りどころとタイミングが悪かったせいか、うまい具合に取ることはできなかった。
パウエル議長の議会証言が、マーケットにサプライズを与える格好となった。どうせ同じことしか話さないだろうとおもっていたところへ、「インフレは一時的」の文言は見直しが必要だ、とか、テイパリングの加速を示唆する発言をしたのだ。これは従来のハト派姿勢とはまるっきり反対の態度にも見える。あまり関心を持たれていなかったこともあって、そのインパクトは大きかったと言えよう。
それでびっくりしたのか、ドル金利は急激に上昇に転じた。米国株はあまり戻すことはできなかったが、為替相場でのドル一段安は回避された。ユーロドルは150ポイント急の下げとなってしまい、ドル金利の先高果敢への期待が強いことがうかがわれる。
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