おとといとなる水曜日の日本時間の夜に、ギリシャ問題はひとつのクライマックスを迎えた。ギリシャの短期債の売られ方は激しかった。2年債は14%でスタートしたのに、あれよ、あれよという間に40%近くまで跳ね上がってしまった。前日に大幅な格下げを受けたことが原因である。固唾を飲んで見守っていたが、日本時間の深夜にはEUとIMFサイドからギリシャに支援する金額が拡大されるというような話しが伝わってきた。
とりあえずマーケットは落ち着きを取り戻し、米国市場がランチタイム頃にスペインの格下げも伝わって夕方の安値も更新はしたが、もはや織り込み済みという感じ。ユーロドルは、ほぼ1年ぶりの安値である1.3112をつけたが、その後は1.32台まで戻し、昨日もずっと小康状態となっていた。
次はポルトガル、スペイン、イタリア、アイルランドなどにまで、本当に波及していくかどうかである。また問題視されるようになってくれば、今度はユーロドルは金融危機の際につけた安値1.2326が次のターゲットになってくるだろう。
昨日は日本はお休みだったが、ギリシャを中心に欧米株は持ち直した。それにしても、ちょっと前までは「アメリカという帝国の終焉」というような論調が強かったが、もたついている欧州圏や日本とは違って、まるで「腐っても鯛!」っとばかりに、米国がひとり勝ちの様相だ。米国株はまたたく間に昨年来の高値圏へ戻り、ドルも全面高モードとなっている。
しかし本日のアジア時間のグローベックスの米国株は垂れ気味ではあった。早朝にGSが刑事事件として捜査されている、というような報道も出ていたためだろう。今晩はアメリカの第1四半期のGDPが発表になる。良い結果がでれば、ギリシャ問題も落ち着いているし、クロス円、ドル円のショートカバーも継続するかもしれない。短期的にはドル円か、クロス円のロングも面白いかもしれない。
ただしGS問題や、さらに金融規制についても、何かネガティブな話しが出てくるとまた一気にリスク回避になっていく可能性もあるので、注意はしておいたほうがよい。
今晩はGDPの発表がある21時半からニュヨークの米国株オープン後30分となる23時くらいまで、まずはGS問題への反応が継続されるかどうかを見ようと思う。来週のアジア市場では日本、中国が週の前半にお休みになるので、早朝に起きて来週に向けて仕込むという作戦は、私は止めておこうと思う。
それにしてもギリシャ問題は対岸の火事とはいえない国々も多く、イギリスなど欧州圏の雄についても財政赤字の問題は重くのしかかっている。とくにイギリスの格下げの話しは真実味をともなったウワサになっている。
そんななか、日本、中国のGW中に、イギリスでは総選挙がある。今回の選挙については、混戦模様がずっと伝えられてきた。それがそのまま結果に出てしまうと、何も決められない政府ということでポンド売りとなる可能性もあるので注意しておきたい。
5月5日までコラムはお休みですが、
みなさま、よいゴールデンウィークを!
日本時間 19時00分
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