現在のマーケットでは短期金利の先物価格に年内で4回の利上げ、1.00%分の利上げが織り込まれている。今年のテーマはこの利上げがどの程度まで実現するかである。金曜日の市場ではニューヨーク序盤でJPモルガンが決算とともにCEOの利上げ見通しが公表され、年に6、7回はあるとされた。これはマーケットリーダーとしての意見としては重大である。ドル金利は短期も長期も上昇し、昨年来からの最高水準まで持ち上がった。
ドル金利の上昇によってニューヨーク前半こそ米国株も売り圧力に悩まされたが、午後になってハト派の代表格であるニューヨーク連銀のウイリアムズ総裁が「利上げがあるにしても、ペースは緩慢」ということで、やや緊張感は和らいだ。米国株も反発に転じたが、ドル金利は微動だにしていない。
そうしたドル金利の動向も反映して、ドル相場は堅調だった。値幅こそ大きくはないが、ニューヨーク時間ではドルがひたすら城主氏、そのままドルの高値引けとなった。ニューヨーク序盤で出た経済指標はいずれも予想よりも悪いものが並んだのでドルの全面安となったのだが、ドル金利の動きには勝てなかったようだ。
しかしアメリカの利上げ見通しはどんどん大きくなってきているように見える。半年前のジャクソンホールの頃はテイパリングをするかどうかの議論であった。利上げは少しも見込まれていなかった。それが秋口になって原油価格が80ドル台を越えてくるとインフレが懸念され、2022年には1、2回の利上げを織り込むようになった。
そして他国の利上げ攻勢も手伝って、昨年末には3回まで利上げを織り込んだ。そして今年になってインフレ指標の増進もあって、ついに4回分を織り込んだ。この調子だとJPモルガンの会長の言うことも、まんざら作り話ということにもならないだろう。今年6回の利上げがあって、年末に短期金利が1.5%になってもインフレを相手にしている場合には、いかにもまだまだ低すぎる金利水準である。
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