先週の金曜日は大きな経済イベントのない一日であった。しかし根底に横たわっている問題は変わっておらず、コロナ感染の拡大とウクライナ情勢の悪化である。この二つが不安要素となっている。しかしそれを楽観的に見たいという流れも強くなりつつある。それでマーケットの方は依然としてチョッピーな動きを示して、明確な方向感を確信できていない。
ドル金利が短期ゾーンが一段高して、これで今年の年5回分の利上げ、つまり1.25%ポイントの利上げは完全に織り込んだ。その上6回目の利上げも織り込みにいっている状況となった。
それにともない為替相場ではドルが上昇。ユーロドルは2年ぶりの安値圏までドル高が進んできた。そうした中でも米国株は自律反発。主要3指数は今年最大の上げ幅を記録して、今週の下げ分を何とか取り返した格好となっている。
今週もやはりドル高へのトライアルが見られるものと考えている。ECBがタイトニングに消極的な姿勢を示しているため、ドル円よりもユーロドルのほうが攻めやすい。ユーロドルは昨年来の安値を下回ってきて、1.10台割れも完全に視野に入ってきている。
こうなると2020年の安値である1.0636も次のターゲットとして捉えなくてはならないだろう。ウクライナ問題だが片付くまではECBのハト姿勢は崩れないだろうが、それが落ち着くと世界のタイトニングの流れに合わせてくるかもしれない。それまではユーロドルの下値模索が続くだろう。
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