昨日もドルの短期金利がやや上昇。これは欧州金利がポンドやユーロで上がってきたから、それにつられたという側面が大きい。アメリカ発の材料はなく、欧州域内で年内の利上げとかBS縮小の話しが出ていたからだ。ユーロドルは利食い売りに押されながらも、値崩れはしなかった。
ユーロドルは1.14台のミドルをキープした形だ。先週は金利も株価も大きく動いた後だったので、マーケット全体が総じて小動きな1日となった。イベントがない日でもあったので、私も見るだけにとどまった。
今週は米国の長期債の入札があるが、それを気に過ぎるのは間違いである。すでに大量の既発債が出回っており、それが市場の趨勢を表して余りあるからである。2月、5月、8月、11月の入札はクオーターリー・リファンディングといって新発債の入札となる。
他の月の入札と何が違うかというと、新しいクーポンレートがくっつくことだけである。クーポンレートは定額なので、債券トレーディングにはあまり意味がない。取引しているのは価格から逆算した流通利回りなのである。新発債の入札においてクーポンレートがいくらになるかは、その時々の市場実勢を表す。
現在の10年ものの利回りが1.93%であるならば、その付近のレートで決定される。それが今後10年の利払い額を決定する。お金を集める方からすればクーポンが低いほうが良さそうにも思えるが、市場の実態よりも低めに設定すると債券価格は下落する。そもそも100の元本の資金集めをしようというのが目的だったのだから、クーポンをケチって80しか元本が集まらないのでは、それは本来の目的と外れることになる。
ともかくも新発債の入札があったからと言って、マーケットにインパクトを与えることは非常に少ない。ほとんどの場合が借り換えであるため、一方的な資金吸収などが起こるはずもなく、入札を通して需給が変化することは起こらない。少なくとも過大に構える必要はないだろうということだ。ともかく今日は3年債、明日は10年債、明後日に30年債の入札となる。
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