最近の為替市場では、クロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場の堅調が目立つ。英ポンド/円、豪ドル/円をはじめとして、年初来高値を更新している通貨ペアが多い。
その背景には、英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルなどのメジャー通貨ペアにおいて、米ドルのリバウンドが続かなかったことに加えて、米ドル/円が堅調であることも見逃せない。ここに、今後の相場を占うヒントがある。
■足元の米ドル/円の堅調地合いが意味するものは?
英ポンド/米ドルの値動きを例に挙げると、6月3日に高値1.6662ドルをつけた後は8日まで下値模索の展開となって、850pipsの下落となった。だが、11日には1.6621ドルまで値を戻している。
ちなみに、この間の米ドル/円は3日安値95.41円から99円手前まで上昇し、その後は軟化したが、現執筆時点でも97円台後半を保っている。
だから、両通貨ペアのレートを掛け算(ビットとオファーのクロス)すれば、英ポンド/円の162円タッチも当然の結果と言えるだろう。
英ポンド/円 1時間足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 1時間足)
そうであれば、米ドル/円の動向は非常に気になる。2008年9月のリーマン・ショック以来、避難先として選好された円ではあるが、2009年の年初からは、まず対ドルで売られている。
相場の基調変化という観点で考えると、足元の米ドル/円の堅調地合いは、なんらかのサインを発していると思われるのだ。
■「三尊型」が完成せずに崩壊する可能性が浮上!
具体的に、米ドル/円に何か変化があったのか?
一言で言うならば、4月6日の高値をトップとする「三尊型(※)」といったフォーメーションが、崩壊するかもしれないということだ。
(※編集部注:「三尊型」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ばれていて、人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼ぶこともある)
そうであれば、米ドル/円の動向は非常に気になる。2008年9月のリーマン・ショック以来、避難先として選好された円ではあるが、2009年の年初からは、まず対ドルで売られている。
相場の基調変化という観点で考えると、足元の米ドル/円の堅調地合いは、なんらかのサインを発していると思われるのだ。
■「三尊型」が完成せずに崩壊する可能性が浮上!
具体的に、米ドル/円に何か変化があったのか?
一言で言うならば、4月6日の高値をトップとする「三尊型(※)」といったフォーメーションが、崩壊するかもしれないということだ。
(※編集部注:「三尊型」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ばれていて、人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼ぶこともある)
(出所:米国FXCM)
上に示した米ドル/円の日足チャートを見ると、米ドルが急上昇した6月5日(金)に、「三尊型」のネックラインが破られていることがわかる。さらに、4月高値と5月高値を結ぶレジスタンスラインをもブレイクし、「三尊型」が崩壊する可能性が出てきた。
しかし、「三尊型」の崩壊を確認するためには、米ドルのさらなる上昇が不可欠だ。
上に示した米ドル/円の日足チャートを見ると、米ドルが急上昇した6月5日(金)に、「三尊型」のネックラインが破られていることがわかる。さらに、4月高値と5月高値を結ぶレジスタンスラインをもブレイクし、「三尊型」が崩壊する可能性が出てきた。
しかし、「三尊型」の崩壊を確認するためには、米ドルのさらなる上昇が不可欠だ。
それは、「三尊型」の別名である「ヘッド&ショルダーズ」の「肩」の部分をブレイクすることが条件となる。具体的には、5月7日の高値99.74円を上抜けることだ。
■「三尊型」が崩壊した場合は106円台まで上昇する計算
仮にそうなった場合、2008年8月高値から引かれたレジスタンスラインをブレイクすることにもなるので、米ドル/円の目先の上値メド(ターゲット)は106円台となる。
■「三尊型」が崩壊した場合は106円台まで上昇する計算
仮にそうなった場合、2008年8月高値から引かれたレジスタンスラインをブレイクすることにもなるので、米ドル/円の目先の上値メド(ターゲット)は106円台となる。
(出所:米国FXCM)
上のチャートが示すように、2008年8月の高値から引かれたレジスタンスラインを上抜ければ、2009年1月につけた年初来安値から引かれたサポートラインとともに形成された「トライアングル(三角保ち合い)」を上放れることになる。
目先の上値メド(ターゲット)は4月高値から5月安値までの値幅をそのまま上乗せしたところとなる。これを計算すると、仮に来週(6月15日から始まる週)あたりにブレイクしたならば、106円レベルが予想できる目標値となるわけだ。
■ユーロや英ポンドは対ドルで年後半に下落する!?
もちろん、今このような計算をしても「取らぬ狸の皮算用」となるかもしれない。しかし、あくまで1つのシナリオとしてではあるが、米ドルのさらなる上昇なくしては、現実的な取引プランは立てにくいのだ。
前述のように、米ドル/円の動向を気にするのは、取引のチャンス云々ではなく、今後の相場を予想するヒントになる。
上のチャートが示すように、2008年8月の高値から引かれたレジスタンスラインを上抜ければ、2009年1月につけた年初来安値から引かれたサポートラインとともに形成された「トライアングル(三角保ち合い)」を上放れることになる。
目先の上値メド(ターゲット)は4月高値から5月安値までの値幅をそのまま上乗せしたところとなる。これを計算すると、仮に来週(6月15日から始まる週)あたりにブレイクしたならば、106円レベルが予想できる目標値となるわけだ。
■ユーロや英ポンドは対ドルで年後半に下落する!?
もちろん、今このような計算をしても「取らぬ狸の皮算用」となるかもしれない。しかし、あくまで1つのシナリオとしてではあるが、米ドルのさらなる上昇なくしては、現実的な取引プランは立てにくいのだ。
前述のように、米ドル/円の動向を気にするのは、取引のチャンス云々ではなく、今後の相場を予想するヒントになる。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル vs 世界の通貨 1時間足)
結論から言うと、米ドル/円の「トライアングル(三角保ち合い)」の上放れがあれば、少なくとも年内は、米ドル全体の強さが持続すると思っている。
つまり、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどの主要通貨の対ドルでの上昇は、すでに8合目まで達した可能性が高く、年後半は一転して下落する可能性が高い。
その具体的なロジックと検証は、次回に説明することとしたい。
結論から言うと、米ドル/円の「トライアングル(三角保ち合い)」の上放れがあれば、少なくとも年内は、米ドル全体の強さが持続すると思っている。
つまり、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどの主要通貨の対ドルでの上昇は、すでに8合目まで達した可能性が高く、年後半は一転して下落する可能性が高い。
その具体的なロジックと検証は、次回に説明することとしたい。
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