昨日のニューヨーク市場、午後になって売りに押されていったが、ドル円は84円台、ユーロ円は107円台に留まる小動きだった。基本的には、みな本日のアメリカのGDP改定値、そしてバーナンキ議長の講演に手がかりを見つけたいというムードが強かったのだろう。
本日のアジア市場では、政府から新たな経済対策に向けての強いメッセージが発表されることとなった。そもそもこれは25日にも出ると見られていたものが、民主党の代表選に小沢氏が出馬というドタバタが続くなか、すっかりどこかに行ってしまった感じもあった。まさにマーケットから催促される格好だが、とにかく日本の何か意志表示だけでも示さねばということなのか、ようやく今日になって出てきた。
小沢氏の出馬によって、もう3週間はこのまま何もなしだと思っていた東京勢にとっては、それなりにインパクトがあった。ドル円、クロス円は上向きに動意づいた。ドル円は84円台後半、ユーロ円107円台後半をつけ、日本株も大いに持ち直すこととなり、東京市場の午後は大幅高となった。
このようやく欧州市場の朝方に発表された日本の首相の方針は、来週の火曜日に経済対策の基本方針を決定する、「必要な時には断固たる措置をとる」というものだった。マーケットの立場から判断すればこのタイミングで何かを出す必要はあるが、政治的にみれば次期政権が変わるかもしれないという段階での政策など、その実効性そのものが疑問視されてくる。
さらに為替については、一国で勝手に通貨安にするということはできないし、たとえ実弾介入をしたとしても、各国との協調がない限り、あくまでも単発的な動きに留まってしまう。ここまでの直近の戻り高値はドル円では84.87、ユーロ円では107.99だ。メッセージが出された後の反応はとくになかった。
今晩はアメリカのGDP改定値が発表になるが、世界の主要な中央銀行トップが集う会議でのバーナンキ議長の講演にもかなり注目が集まっている。こうしたことも踏まえて、日本のスタンスに対するマーケットの消化具合が大切である。私としては円相場が円安に振れれば、それなりに評価されたと見るし、反対に戻って来るようだと、あまり重要視されていないと考えて行動するつもりでいる。
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