昨日は一転してリスクテークの展開となった。アメリカが中心となって、UAEやイラクから石油の増産を求めたり、ベネズエラの制裁を解除して石油の買い付けを可能にするなどの方策が打ち出されたからだ。ロシアから石油が入らないとなると、他を当たるしかない。
それが行きすぎた需給のタイト感を和らげることになり、原油価格が120ドル台に乗せていたものが一気の15ドルも急落。それが市場のリスク許容度を増加させたのである。ドイツ株をはじめとして、欧州株は大幅高となった。
さらにはニューヨーク時間の昼過ぎにウクライナの大統領が声明で、ロシアには譲歩の余地ありとし、直接の対談で解決も可能とした。その発言を受けてマーケットはさらにリスクオンとなった。米国株は一段高するのはもちろんのこと、ドル金利も上昇した。
地政学的な落ち着きとみられ、欧州通貨は買い戻された。ユーロ円は128円台のミドルまで買い戻されている。ドル円の上昇は少なくて、大台を変えるまでには至らず。ユーロの買い戻しが目立って、ユーロドルは1.10台の後半まで買い進まれた。1.08台ではたくさん売り込んでいたユーロドルだったが、1.10台まで戻ってくると積極的に売っていこうとする意欲は減退した。
問題はこの流れが今後も継続するのかどうかである。昨日は原油相場の大崩れもあったので、ちょっとビックリした感じでユーロの買い戻しに入ったものの、果たして世界の需要を満たせるのかどうか。安くなったと言っても、100ドル以上の原油である。それが本当に嬉しいのかどうか。そう考えてくると、どこかでユーロは売っておかないといけないと思っている。
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