インフレ指標の一つであるCPIが発表された。本体部分は予想通りであり、コア部分は予想を下回った。インフレの進捗が一服したという観測から、一気にドル金利は低下した。それに伴い、為替相場ではドルが全面安になり、米国株は急激にジャンプした。しかしそうした流れは30分しか続かなかった。
予想を下回ったと言っても物価の高水準が続いているわけで、値下がりしたわけではない。しかも今後の物品不足がどうなるかわからない。プーチン大統領が停戦交渉は困難な時期を迎えていると発言したことも原油相場の上昇につながり、目に見える形でのインフレ懸念の払拭とはいかなかった。やがて米国株は反落に転じ、ドル相場も切り返してきた。
CPIの内容を見ても、かろうじて低下に貢献したのは中古車だけである。中古車はロシア向けの輸出が禁止されたおかげで、流通市場ではダブつき感がある。値崩れしてもおかしくはない状況。制裁のために価格高騰がセーブされているだけだ。食品や木材なども禁止されているだけに、これら今後も上がっていくことを考えると、安易に喜んではいられないはずだ。
ともかくもユーロドルは今年の最安値圏まで押し込まれてきた。これでいつ1.07台に突入してもおかしくはない状況となった。最初の突っ込みは是非とも売り込んでみたいところだ。しかしアジア時間に安値を作ってしまうと、欧州時間でめくられる傾向がある。
アジア人にとってはユーロもドルも関係ないはずなのに、フレッシュゾーンをアジア時間でやるというのが間違いだという理屈だ。だから相場のジンクスではあるが、早々に安値をつけるようならば、あまり深追いはしない方がいいだろう。
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