いよいよ政治的な口先介入が増えはじめてきた。先週の金曜日も日銀の黒田総裁が首相と会談。そのついでに急速な円安は好ましくないとした発言をした。内容自体はこれまでも日銀会合の後に言ってきたことなので、目新しさはない。しかし市場が気にしているシーズンでもあったので、相場は過度に反応したといえよう。
ドル円は朝がたの144円台からスリップ。142円台まで落ち込んだ。短期的なロングポジションの投げ売りを巻き込んだのは言うまでもないが、それでも結構の深押しをしたものだ。欧州時間に入ってからは141円台の中盤まで押し込まれた。実弾介入もないのにこれだけ深押しするとなると、当面は口先介入が続くものと思われる。
ドル円の下落の過程で、ユーロドルも上昇した。久しぶりの1.01台も見ることができた。ドル相場が全面的に調整を余儀なくされたというところであろう。しかしドル売りの流れはつくれず、ニューヨーク時間ではドルの買い戻しが続いた。ドル円は142円台のミドルまで戻しきり、ユーロドルも再びパリティ割れをうかがう展開となった。
FOMCが近づいてきたので、要人の発言はこれから少なくなる。それで最終的に出てくるFEDメンバーのコメントに注目が集まったが、ほとんどのメンバーが来週の利上げ幅は75ベーシスポイントが適切だという見解だった。
カナダやECBも75ベーシスの利上げをしいるのだから、アメリカも75ベーシスは譲れないところでもある。また利上げのターミナルがどこまでかという話しも出てきたが、やはり4%程度では済まないと考えるのが穏当のようだ。
エリザベス女王の国葬のために、BOEの会合は1週間の延期となった。BOEの結果はFOMCと日銀の後に回ったことになるが、イギリスもインフレが問題になっているので75ベーシスの利上げは避けられない。今のイギリス首相もインフレ対策に躍起になっているのだから。
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