雇用統計は解釈の分かれるところだった。就業者数は予想よりも増加していたので、ファーストアクションとしてはドル金利上昇、ドル高となって、株価にはダウンサイド・プレッシャーがかかった。
しかし失業率はやや悪化しており、最大の注目であった賃金インフレも予想以上には上がってはいなかったので、それが再び市場に楽観論を台頭させた。株価は切り返し、ドル相場も売りものに押された。ドル円やユーロドルは日中の安値圏で引けている。
私はドルブルだったので、ドルが落ちてきたところを買おうと考えていた。147円台のミドルを下回ってきたところで買ってはみたのだが、ドル相場が反転の兆しが見えない。市場参加者すべてがFEDの金融引き締めのペース鈍化を信じ切っているかのようだ。
すぐに熱も収まるだろうともって見ていたのだが、ユーロドルも0.99台まで上がってきた。もうこうなるといけない、細腕で頑張ってみたところで、どうしようもないのだ。ドル円のロングも撤退することにした。146円台に深々と入ってきたところも、もう買うことはできない。ユーロドルが下がっていかないからだ。
今週から米国市場は冬時間である。また米国のイベントが始まるまで時間がかかり、間延びする季節になったというわけだ。また今週の注目イベントは、木曜日のCPIだけだ。市場の関心がFEDのペースダウンに集まっているだけに、データに対する感応度は強いものとなろう。それ以外は大きな材料はないので、1週間のうちに間延びする体調を整えたいと
ころだ。
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