CPIの発表をうけて、まだ来てもいない景気後退を期待してのインフレ鈍化を見込んだ動きが強まってきた。これまでは債券相場のショートカバーやドル相場の微調整にとどまっていたが、インフレに対策を打たないことも見込んで金価格が上昇に転じてきた。
2000ドルを超えていた金価格であったが、ここ半年ほどの金融引き締めで1600ドル台を割り込みそうなところまで後退。インフレ感を払拭するためには金融引き締めを継続して、1100ドルを割るところまで持っていきたかったところだ。それが1800ドルの手前まで復活してきたのだ。
中間選挙のためだけではないのだろうが、今年になってやってきた物価高に対する努力もむなしくなりつつある。インフレに対処する方法を間違ってしまうと、資本市場もとんでもないことになる。利上げをして欲しくないという希望はわかるが、当初の目的を忘れてはいけないのに。
昨日はアジア時間でドルのショートカバーが先行した。早朝に140円台の前半まで差し込んだのだが、急速に142円台まで買い上げられる。この感でドル買いの材料も出ていないので、明らかに値頃感からの買いとショートカバーでしかない。
それだけアジア勢には買い遅れ感も強かったのであろう。私も何度かドル買いでついていった。しかしドル円の上げは142円台の中盤までで終わり、すぐに141円台の中盤まで押された。東京時間の午後には円コールのオプションもまとまったサイズで出たようだ。欧州序盤には140円台に突入。
アメリカがベテランズデーでお休みなので、市場参加者は少ないはず。それでもニューヨークオープン前にはドル円は138円台を見るに至り、ユーロドルは1.03台まで吹き上がった。その後はドルの戻す局面もあったが、結局のところ、ドルの安値引けに近い形で終了している。しかし週明けのマーケットではドルの買い戻しが猛烈に入っている。
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