明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
■シンガポール経済は絶好調
先日、シンガポールのトレーダーの友人たちと今年の相場についてミーティングしたのですが、彼らは2011年のビジネスプランについて熱く語ってくれました。
昨年のシンガポール経済は、アジア最速の成長を遂げたとのことで、GDP(国内総生産)は前年度のマイナス1.3%から一転して、プラス14.7%という大幅な上昇を記録しています。

(上図は四半期ごとの数値。詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
そのため、シンガポールのビジネスは急速に拡大しているようで、彼らの弁舌もさわやかといったところでした。
2011年の日本も彼らに負けないぐらい、景気が回復してほしいですね。
■2011年のアメリカ経済の回復期待と米ドル/円の上昇
シンガポールの友人たちとの会話で、最初に話題に上がったのが2011年のアメリカ経済についてです。
昨年末、多くのエコノミストが、2011年のアメリカの成長率を大幅に上方修正しました。
今年の為替相場は、彼らが予測しているように、アメリカ経済がどの程度のスピードで回復をみせるかに注目が集まっています。
そして、前述のシンガポールの友人が、新年初日にとった為替のポジションも、アメリカ経済回復シナリオに従ったドルロング(米ドルの買い持ち)でした。
通貨ペアは米ドル/円。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
昨年のクリスマス明けの海外市場では、季節的要因から駆け込み的な米ドル売りの需要があったようで、年末に米ドル/円は急落しました。
そのため、今年の米ドル/円のオープニングは81.34円と、米ドルの安値圏でスタートしました。そのため、友人は米ドル/円という通貨ペアを選択したとのこと。
ただ、彼らの思惑でも、米国雇用統計までは米ドル/円に大きな動きはないだろうという見方でしたが、1月5日に発表された米国の経済指標が強い結果となり、彼らのポジションを後押しすることになりました。
■Super strong ADP shooting up USD!
1月5日に発表された2010年12月のADP雇用報告は、前月比29.7万人増となり、事前予想10万人増を3倍近く上回る結果となりました。
ADP雇用報告は、1月7日発表予定の米国雇用統計の先行指標とされるため、足元の雇用情勢の改善期待が高まり、米ドルは急騰しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
1月5日NY市場で、米ドル/円は83円台を回復し、ユーロ/米ドルは1.31ドル台前半まで米ドルが上昇する相場展開になっています(ユーロ/米ドルはチャートは下落(=ユーロ安・米ドル高))。
2011年の為替市場のスタートは、大方のシナリオどおりに、「アメリカ経済回復=ドル金利上昇=米ドル/円堅調」という流れでスタートしています。
ドルインデックスも、心理的節目である80を再び突破し、80.353まで上昇しており、米ドルは全面高の様相です。
この流れが続くかどうかは、今週金曜日発表予定の米国雇用統計の数字しだいです。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
米国雇用統計においても雇用の改善が示されれば、昨年11月18日のコラムでご紹介したように、今年の米ドル/円は反騰する可能性が高まることになります(「米ドル/円の反撃。その背景にあるヘッジファンドの動きとは?」を参照)。
1月7日の米国雇用統計に注目ですね。
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