さて、ユーロ/米ドルは今週に入って、エジプト問題からいったん離れ、ユーロの金利動向に左右されている流れです。
2月1日(火)には節目である1.3800ドルをブレイクし、一時は1.3862ドルまで上昇しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ただ、このユーロ/米ドルの上昇は「EONIA(ユーロオーバーナイトインデックスアベレージ)金利(※)」の上昇に為替相場が遅ればせながら追随した形であり、中長期のリアルマネーはユーロ/米ドルの1.37~1.38ドル台をコンスタントに売っている模様です。
ユーロ/米ドルのこのレベルは、オプションからの売りもかなり厚いようです。
したがって、「EONIA金利」に追随した形のユーロ/米ドルの上昇トレンドは、そろそろ収まるのではないでしょうか?
(※「EONIA (Euro OverNight Index Average)」とは、銀行間市場のすべてに夜通しの保証のない貸出トランザクションの重量平均として計算される有効な翌日物レートのこと)
■エジプト情勢混迷でも上昇する米国株は少々過熱気味か
また、ファンド勢が注目しているのが米国株で、2月2日(水)のS&P500種株価指数は1300ポイント台で推移しています。
彼らの多くは「原油ロング、株ロング」シナリオなのですが、S&P500種が直近で1300ポイントを上回って取引を終えたのは2008年8月のことです。
エジプト情勢が混迷の度を深めているにも関わらず、上昇を続ける米国株の底堅さは少々過熱気味であり、彼らは反落に対する警戒感を高めているようです。
米国株が反落を始めれば、金利動向に関係なく「株安、米ドル高」シナリオにより、ユーロ/米ドルの反落リスクが高まります。
■ユーロ/円の反落リスクは徐々に高まっている
加えて、ヘッジファンドが注目し始めたのがユーロ/円です。
先週、格付け機関のS&P(スタンダード&プアーズ)が日本国債を格下げしたことを受けて、短期的に/米ドル/円が急騰しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ただ、米ドルの戻りはわすが1円弱で、高値は83.22円まででした。その後の米ドル/円はジリジリと値を下げている状況です。
中長期においては「米ドル/円は上昇シナリオ」という彼らの見方は変わっていないようですが、2月は本邦企業の円買い需要も根強く、短期での米ドル/円の見方を修正している模様です。
結果として、彼らの注目はユーロ/円へ向いています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
ユーロ/米ドルはエジプトのデモ騒動の後、今週に入って高値を更新していますが、ユーロ/円は先週高値の114.01円を回復していません。
テクニカル的にも、ユーロ/円は114円~115円が強烈なレジスタンスとなっているため、反落リスクは徐々に高まっていると言えるのではないでしょうか?
2月3日(木)はECB(欧州中央銀行)の理事会が行われますが、ユーロの動向に影響を与える可能性の高いトリシェ総裁の会見に注目です。
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