こんにちは。
■エジプトの政局不安は「米ドル高・円高」要因だったが…
先週末、グローバルマーケットに大きな影響を及ぼす事件がぼっ発し、為替相場も大きく変動しました。エジプトの大規模デモです。
チュニジアに触発されたエジプト国民がムバラク大統領の後任をめぐってデモを行い、しだいに悪化。死者が出たことで、中東が混乱状態になっています。
この報道を受けて、先週金曜日はリスクオフ(=株価急落、米ドル高、円高)相場となり、ユーロ/円、英ポンド/円を筆頭に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は大きく値を下げて、取引を終了しました。
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ところが、今週に入ると、英ポンド/米ドルや豪ドル/米ドルといったところが急反発しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 1時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 1時間足)
エジプトの大規模デモという要因は、当初「株安、米ドル高、円高」というリスクオフシナリオだったのですが、原油価格の高騰により、「コモデティ価格の上昇→資源国通貨上昇」というシナリオに変貌したのです。
先週、英ポンドの下落にポジションを傾けていたファンド勢は、金曜日までは想定していたシナリオ以上に相場が展開したのですが、月曜日の株の反発を見て、珍しく、あわててポジションをクローズしたのです。
2011年の為替相場は、ユーロ/米ドルを筆頭に主要通貨が頻繁にトレンドを反転させるため、ファンド勢も中長期のポジションをなかなか構築できず、苦労しているようです。
■ユーロ/米ドルの上昇トレンドは、そろそろ収まるのでは?
エジプトの政局の行方は誰にもわかりませんが、マーケットが懸念しているのが「コンテージョンリスク」。
つまり、エジプトの政局不安がヨルダンやサウジアラビアなどの周辺国に移行して、中東全体を巻き込んだ混乱に発展することを懸念しているのです。
中東の混迷が深まると、グローバルな投資資金はリスクを嫌って、先週金曜日のような「株安、米ドル高」の流れに再び移行する可能性があります。
現在もエジプトの銀行は営業停止の状態で、当面はエジプト政局不安とその周辺国の動向に注視せざるを得ない展開が続きそうです。
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