■豪ドルに高値警戒感が出てきた
さて、今週に入って、マーケットで高値警戒感が強まっているのが豪ドルです。
オーストラリアの中央銀行であるRBA(豪州準備銀行)に対する利上げ期待を背景に堅調に推移してきた豪ドルですが、3月1日(火)のRBA金融政策決定会合が短期筋の利益確定売りを誘った流れになっています。
この時の声明は、市場が想定していたほどタカ派的なものではなく、豪ドル/米ドルは年初につけた高値である1.0228ドルまで到達せず反落しています。
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ヘッジファンドなどで、このところ不安定な値動きをしている「S&P500」のヘッジ手段として、豪ドル/円のダウンサイドオプションを購入する動きも出てきており、豪ドル/円は2月18日(金)に到達した84.48円からジリ安の展開です。
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不安定な金融市場の環境下、スイスフランとともに堅調に推移してきた豪ドルですが、米国株の一服感とともに、上昇にも陰りが出てきたようです。
■米ドル/円はレンジ圏での推移が続きそう
一方、中東情勢が悪化しようが、米国株が下落しようが、大きな動きのない通貨ペアが米ドル/円です。
米ドル/円は2月10日のコラムでご紹介した「81.50~83.50円」のレンジの中で、おおむね上下している展開です(「ヘッジファンドも無視できない今年最大のリスク『G-zeroの世界』とは?」を参照)。
2011年になって2カ月が過ぎた現時点でも81.00円を割れませんし、84.00円にも到達できず、結局、3円も動いていないことになります。
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過去10年間、米ドル/円は3月第2週からそれまでと逆の動きとなる季節的傾向があります。
今年の場合ですと、米ドル/円は来週から反発と考えたいところですが、現在のボラティリティ(変動幅)から考えると、上値は大きく期待できないのかもしれません。
グローバル・マーケットでは「インフレ」がキーワードとなり、主要国が利上げに傾きつつある中、日米ともに中央銀行の利上げはかなり先のお話になりそうです。
円と米ドルの強弱感がはっきりしない中、引き続き、米ドル/円という通貨ペアは「80.00~85.00円」のレンジでの推移が続きそうです。
今週後半は、3月3日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会、3月4日(金)の米国雇用統計というビッグイベントを控えています。
このところ高値圏で乱高下しているユーロ/米ドルにも明確な方向性が出てきてほしいところですね。
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