雇用統計の内容は事前の予想を上回って良い結果になった。アジア時間でいよいよ83円台のミドルまで上がってきたドル円が、その動向がどうなるかが試される展開になった。まずは今年の最高値である83.97を超えられるかどうであった。
指標が出る前にナスダックによるニューヨーク証取の買収の話が出ていて、グローベックスのなかでは米国株はすでに高値追いを始めていたので、市場全体はどことなくリスクテークのムードで進んでいた。ドル円も83.80くらいまで上がりきっており、ユーロドルも1.41の大台を割り込みそうな勢いでドル高が進んでいた。何もポジションを持っていなかった私としては、ドル円の84円乗せでロングにしていくくらいしか、なす術ない。
実際に指標発表と同時にドルは上昇した。ドル円などは今年の最高値を超えてきたこともあって、3か月分の損切りを巻き込んでの上げとならざるを得なかった。ロスカットベースのドル円の買い戻しが一巡しない限りは、このドル円の急上昇はなかなかおさまらないだろうという感じもした。
22時半に米国株がスタートしてからも、ドルの一段高は演じられ、ユーロドルはついに1.40台にまで下落した。ドル円は84.70くらいまで上がった。しかし昨年11月につけた戻し高値である84.50近辺も重要なテクニカルポイントとして気にかかる。その上、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が「国内景気の回復にはまだまだ」みたいなことを言い出したので、どこかで利食いをしようと思っていたプレーヤーたちの背中を押した格好となって、ドル高も一服となってきた。
米国株の上値も限られた。アメリカの金融当局者の最近の発言ではどれも利上げ催促が目立っていただけに、たいへん少数派となってしまった金融緩和の継続論であった。ユーロドルが猛烈な勢いで盛り返してくる。すなわちドル安だ。ユーロドルが100ポイントくらい戻してきた。その後でドル円は84円台もちょっと割り込んだりしていた。またユーロドルは1.42台まで戻し切って、高値ゾーンで終了している。ニューヨーク市場の午後はまったくのドル売りとなっていった。
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